糸リフトを20本入れられた40代女性が、日本医科大学病院美容後遺症外来の朝日林太郎医師の診断書をもとに修正手術の治療費などを請求したところ、執刀医が診断書の内容を認めず弁護士を立てて争うことになった。女性は「被害者が出ることを未然に防げたら」と訴訟を決断したという。朝日医師は「施術を行った病院で治療できなくても、できるところにきちんと道筋を作ることが必要」などと語った。豊胸のアクアフィリングについて、朝日医師は「安全で数年で溶けるものだとされた時代があった。それが5、10年経って今問題が顕在化している。根気よく向き合っていくしかない」などと話した。相次ぐ美容医療トラブルの背景には、初期の研修終了後に直接美容医療の世界に飛び込む「直美」と呼ばれる若い医師たちの存在がある。ここ10年で約10倍に増えているという。朝日医師は「いろんな背景があるが、一つに保険診療の将来的な不透明さがある。保険診療で医師をやって将来大丈夫かという不安の中で、自由診療に飛び込んでいくケースもある」などと話した。ノンフィクションライターの石戸諭は「SNSは良い事例しか上げないという前提で見たほうが良い」などと語った。美容医療トラブルに巻き込まれないために、朝日医師は「1回持ち帰ってゆっくり考えてみる。それで防げることはたくさんある」などと話した。