厚生労働省の専門部会が昨日、国内で初めて「RSウイルス」ワクチンの使用を了承した。RSウイルス感染症は、発熱などの風邪のような症状が出て、幼い子どもや高齢者では肺炎を引き起こし重症化する恐れがある。今回承認されたのは、イギリスの製薬会社「グラクソ・スミスクライン」が開発したワクチン。60歳以上の成人が対象。発症を防ぐ効果に期待されている。今後正式に承認されれば国内初。RSウイルスは、国内の60歳以上で1年間に入院するのが約6万3000人、死亡原因が約4000人と推定されている。アメリカでは子どもが対象のワクチンも承認されていて、7月にはアメリカ食品医薬品局が、「アストラゼネカ」と「サノフィ」が共同開発した、健康状態などに関係なく2歳以下の幅広い乳幼児に使用できるものを承認、今月には「ファイザー」が開発した、妊娠32~36週の妊婦が接種することで抗体が胎盤を通じて赤ちゃんに引き継がれ、生後間もない時期の重症化を防ぐものが承認された。ファイザーが開発したものは、日本でも製造販売承認が申請されている。伊藤先生は、「治験データなどが出てきたタイミングが一番早かったのがおそらく高齢者用のもの。RSウイルスは、普通の風邪から細い気管支まで炎症し子どもの脅威になる。データではインフルエンザに並び高齢者の入院・重症化・死亡の原因にもなっている。RSウイルスは、小さい子どもには保険適用が厳しく、高齢者はPHRないと検出が難しいため、中々検出されない」という。