天然の結晶が鉱物。工業製品には、鉱物を原料としたものが多く使われている。鉱物抜きには、人間の活動は成り得ない。最もありふれている成分が、ケイ素の酸化物。「石英」大きく結晶の形が現れたものを水晶とよぶ。ガラスや半導体の原料に使われる。続いて「岩塩」料理以外にも、様々な使い道がある。キッチン周りでよく使われるのが、食品用のラップや、塩素系漂白剤。形を変えて様々なものに使われている。そんな鉱物の中には、化学反応によって、カラフルで鮮やかな色を生み出すものも。銅を含む鉱物。銅原子の周りにある原子の種類と角度で色が変わる。銅が含まれた鉱物の近くに、岩塩などの塩気があると出来るのは、緑色の針状になるアタカマ石。銅と硫黄からなる輝銅鉱は、灰色に。銅・硫黄・鉄からなる黄銅鉱は金色になる。そして、水と二酸化炭素の影響を受けて出来上がるのが、孔雀石。この孔雀石と同じく、水と二酸化炭素の影響で作られるのに、全く違う色になるのが、藍銅鉱。鉱物を砕いて作る絵の具を岩絵具というが、日本画では、緑青と群青と言って、豊臣秀吉が、この2つの鉱物を兵庫県の多田銀山から掘らせて、狩野派と呼ばれる絵師たちに、この絵の具を使わせていた。藍銅鉱はとても少ないので、青の方がはるかに貴重だった。さらに、江戸時代に活躍した絵師尾形光琳は、この2つの岩絵具を使い、見事なカキツバタの絵も描きあげている。岩絵具は、適当な粗さの粉にすると、鮮やかな色に。ただ細かくしすぎると、白っぽくなる。日本画は粒の粗さで色の濃さをコントロールした。こんなふうに、鉱物の絵の具を使っていたのは、日本人絵師だけではない。有名なのは、フェルメール。もう一つ鮮やかな青を出す鉱物として、ラピスラズリというものがある。「真珠の耳飾りの少女」のターバンの部分の青はラピスラズリ。ラピスラズリは、かつては、アフガニスタンからしか出なかった。金よりも高価。このラピスラズリは、今年、新潟県の糸魚川で、国内初の産出が確認され、話題になった。黄鉄鉱と呼ばれる鉱物は、鉄と硫黄が混ざったありふれた鉱物。かつては、鉄と硫酸に使った。硫酸の原料として、石油を使うようになってから、今はもうあまり掘られていない。黄鉄鉱は発見される場所によって、見た目が全然違う。中でも、キラキラと輝く黄鉄鉱を金だっと言って騙す人がいることから、愚者の金と呼ばれていた。愚者の金という言葉が広がったのは、19世紀のアメリカ・カルフォルニア・ゴールドラッシュ。一攫千金を夢見て、金の知識がない人までもが、採掘に乗り出したこの時代。見つけた黄鉄鉱を金と勘違いする人がたくさんいたんだそう。方鉛鉱は、鉛と硫黄がくっついた鉱物。鉛という元素は、亜鉛という元素と相性が良い。閃亜鉛鉱は、鉄分を含むと、徐々に色が付いてきて、さらに鉄分を含むと黒っぽくなる。鉛と亜鉛は仲良しコンビとして、隣り合って、採取することが多い。方鉛鉱が地上に出てきて、風化して分解すると、様々な鉱物ができる。それを、二次鉱物という。
