南アフリカの総選挙で、アパルトヘイト・人種隔離政策の撤廃以降、30年にわたって政権を維持してきた与党が、議会で初めて過半数を割り込んだ。連立政権の樹立に向けた交渉が始まることになり、安定的な政権を作ることができるかが焦点。先月投票が行われた南アフリカの総選挙で、与党・ANC・アフリカ民族会議は、議会で400議席中159議席と過半数を割り込んだ。かつてアパルトヘイト撤廃運動を主導したANCは、1994年に行われたすべての人種が参加する民主的な選挙で勝利し、ネルソンマンデラ氏が黒人初の大統領となって以降、多くの国民の支持を集めてきた。しかし汚職のまん延や経済の低迷などに国民の不満が高まり、今回の選挙で初めて議会での過半数を失った。今後は連立政権の樹立に向けた交渉が始まり、第1党の座を維持したANCが、白人中心の第2党やANCを離脱したズマ前大統領が立ち上げた第3党などと協議を行うものと見られる。しかし、連立の条件を巡って交渉が難航することも予想され、安定的な政権を作ることができるかが今後の焦点となる。南アフリカの映像。ANCを率いるラマポーザ大統領のコメント。