三菱UFJ信託銀行NYの横田裕矢氏のきょうの予想レンジは146.80円~148.00円。週後半は月末特有のフロー要因にも左右されそうだが、来週の雇用統計まではレンジ内での推移が続きそうだ。注目ポイントは「アメリカの雇用市場から見る利下げ動向」。7月の雇用統計では、非農業部門の雇用者数が大幅に下方修正された。ジャクソンホール会議ではFRB・パウエル議長から雇用下振れリスクの言及があり、足元の金融環境が引き締め的であるとの見方が示されると同時に9月の利下げにオープンな姿勢も示され、市場では利下げサイクルの再開が織り込まれつつある。米国の労働環境は失業率は4%台前半で安定している。トランプ政権による輸入取り締まり強化の影響が大きく、外国人就労者数の減少が著しい一方で、不法移民を中心とする労働力の流入減が労働人口全体を縮小させている。パートタイマーなどを含めた広義失業率が上昇基調にあることから、労働市場は難化が進んでいる。トランプ政権下の高い不確実性から企業が採用抑制に動き出している兆しもある。このような環境は、9月の利下げ開始と年内2回の利下げシナリオと整合的である。短期的には一段のドル安が進むことは想定しにくく、9月のFOMCで利下げ再開となった場合も、ドル円相場は145円をサポートに底堅さを維持すると予想。
