重見さんのプロの眼。「アメリカ利下げも量的緩和も近い?」で、「量的緩和では銀行が持つ国債を中央銀行が買って、代わりにマネーを銀行に供給するということをする。量的引き締めは中央銀行が銀行が中央銀行に売りつける形で、銀行からマネーを吸収していく。マネーが減るので、短期金利が上昇してく流れが起きる。昨年末に短期金利が上昇したということがきっかけとなり、QTの停止が議論視されはじめてる。今回のQEは前回と同じ形だったが、興味深いのはQTは前回とは違う動きをしていること。前回のQTは銀行の米国債保有が増えていて、準備預金が減ってるのでマネーは銀行から減ってる。その一方で、今回のところは銀行危機があったから銀行保有の国債は減っていて、準備預金が増加している。MMFの米国債の保有が増えていて、反対にFRBへの預金が減っている。QEで供給されたマネーはMMFから吸収されてる。緩和マネーの入り口は銀行だったが、出口はMMFになってる」、「MMFの金利が銀行の預金金利より高くなったから。現在、アメリカの銀行預金は3%にも満たない水準になっている。MMFは5%を超えている。MMFは常に短期の金融商品に投資して回していくので、利上げによって利回りが上がっていくことが起きる」、「QTでは、FRBが持ってる米国債を買ってくれる主体が必要となる。しかし、今回のQTではFRBも財務省もMMFに流出するという事態が起きるということをわかってたではないかと思う。実際、預金が流出して銀行危機が起きた。最初から銀行はあてにならないとわかってからこそ、FRBは手持ちの債権を市場に売却せずに任せた」、「新しいQEで流動性を供給してあげて、発行が増える米国債を市場から中央銀行から取り除くことが必要だと思ってる。あと、大幅な利下げによって、MMFの金利を引き下げて、銀行の預金金利との金利差をなくす。そのためには利下げが必要。銀行は短期調達、長期運用なので、銀行からMMFにさらに資金が抜けるということになると、銀行による長期の融資の貸し剥がしに繋がってしまう。私はQEの再開と利下げは近いのかなと思っている」と話した。