世界の衣料品輸出額トップ3の国別では中国に次いでバングラデシュが2位。豊富な労働力を活かして低コストで高品質な衣料品を作り、世界中のアパレルブランドの生産を支えてきた。バングラデシュが追い風にしようとしているのがアメリカ・トランプ大統領が打ち出した「関税措置」。アメリカが最も衣料品を輸入しているのは中国だが、この中国にトランプ政権は追加関税を打ち出した。中国の輸入品が上がると代わりに安いバングラデシュから輸入する動きが広がるのではと見込んでいる。首都ダッカ近郊にある日系の縫製工場。従業員1600人余、1日あたり約4000着を生産している。これまではすべて日本に輸出してきたが、新たにアメリカ向けの輸出を検討している。高い縫製技術が強みになると考えており、2010年の操業開始以降、報奨金制度など長く働いてもらう環境を整え、人材育成に力を入れてきた。外国からの投資を呼び込むため、衣料品業界が力を入れているのは、長年の課題だった働く場所の安全性確保。2013年、違法な建て増しなどが原因で縫製工場が入ったビルが崩壊。大手の外国企業がバングラデシュ側との取り引きをやめるなど影響が広がった。建物の耐震化や防火対策などの取り組みを進めた結果、外国企業と取り引きが拡大。こうして増やした利益をさらなる改善につなげたいとしている。