気候変動により世界中で深刻化する山火事。ロサンゼルス郊外では今年初となる大規模火災が発生し、世田谷区とほぼ同じ広さが焼失した。これから山火事が起きやすい季節を迎えるなか、ワシントン州のある消防隊が注目されている。山火事の際、燃え広がらないよう事前に木や草などを燃やし除去する火入れや、拠点となるテントの設営・現場の調査などさまざまな仕事をこなす消防隊員の意外な経歴。「アルカディア20」は、受刑者らによって構成されている。ワシントン州では更生プログラムの一環で、およそ230人の受刑者が消防作業に参加している。アルカディア20は、その中で能力に秀でた受刑者を選抜したエリート消防隊。隊員は消防作業に関わる技術と同時に、社会に認められるということも学んでいく。隊員には自由度の高い生活や受刑者としては破格の給与が支払われ、基本給は最高でおよそ60万円。年収は手当を含めると1000万円近くと矯正施設の職員より収入が多い人もいる。刑期を終えた隊員は、そのまま消防局に就職する人もいて、新たな人生を歩み出すきっかけになっているという。