最終段階の紙を漉く工程に入っていく。職人が紙を漉く。乾燥させていた楮の皮は、アルカリ性の水溶液で煮る。煮熟という作業。もうひとつ和紙作りで重要な材料がある。トロロアオイの根っこがある。オクラと同じアオイ科の植物だ。根から抽出される粘液が、和紙づくりには重要だ。茨城県の無形文化財に登録された紙漉きの技。楮とトロロアオイを混ぜた水を均一になるようにかき混ぜる。簀桁という用具を使って縦方向にふる。縦に繊維が並び、横に振って横に並べる。厚さが均一になるように微調整する。熟練の技だ。何層にも重なった紙。翌日、トロロアオイの粘りが消えたところで、圧をかけて脱水。和紙が完成した。紙の大切さが体験できたという。