島根県にある西日本有数の水族館である「しまね海洋館 アクアス」。県内がから多くの人が訪れるがその目当ては6頭飼育されている「シロイルカ」。今年1月、そのシロイルカのうち2頭が妊娠したことが判明。妊娠したのはアンナとアーリャ、出産時期は6月から7月とされ、海外の研究では無事に出産できる確率は50%ほどだという。アクアスでは過去4頭のシロイルカの出産があったが生きているのは2頭。出産に立ち会った獣医師の三島有紀さん。以前アンナが出産した際、子供は自分で母乳を飲むことができず衰弱して死んでしまったという。この時の悔しい思いから「準備不足で上手くいかなかったということだけは避けたい」と語る。体調管理のため、毎週の血液検査とエコー検査は欠かさず行う。しかしエコーの際に仰向けになる姿勢はシロイルカにとっては呼吸のできない姿勢であり、検査に使える時間は限られている。獣医師とシロイルカの間には飼育員が入りサポートする。新人飼育員である前久雛さんは、アンナが安心するようなヒレの触り方を先輩飼育員から伝授された。初めて前久さんが立ち会う検査、アンナのヒレを優しく持ちサポートする。エコーには元気に動く子どもの心臓が映し出されていた。前久さんや三島さんは無事に出産できることを祈り、必死やるしかないと語ってくれた。