副大統領候補として有力視されるJ・D・バンス上院議員は、重工業が盛んだったラストベルト・オハイオ州出身で、父は家出し母は薬物依存症だったことから祖父母と貧しい幼少期を過ごした。海兵隊シリコンバレーや投資家からは期待が高まっている。海兵隊としてイラクに駐留し、その後はオハイオ州立大学とイェール大学 法科大学院で学び、シリコンバレーの投資会社を勤務し地元オハイオ州に戻って投資会社を立ち上げた。白人労働者層の日常を描いた回顧録がベストセラーとなった。かつてはトランプ氏に懐疑的な立場だったが、2022年の中間選挙で上院議員となるとトランプ氏を支持するようになった。バンス氏はイーロン・マスク氏が期待する様子も見られるが、バイデン政権の進めてきた巨大IT企業の規制については賛成の立場を取っている。リトル・テックと呼ばれる小規模企業が巨大IT企業によって競争を難しくしているとの主張があると見られ、投資家らからはバンス氏が副大統領となることはIT業界に理解を持つ人物が政治に入ることに繋がると期待している。リベラル派の多いシリコンバレーに影響を与えることも期待される。また、ウクライナ支援については反対の立場であり停戦のために一部領土をロシアに割譲すべきとの立場であるとともに、NATO加盟国への負担増も主張するなどしている。