イスラエル軍は多くの避難者が身を寄せるガザ地区南部のラファでイスラム組織ハマスへの攻撃を続けていて、追加の部隊を派遣し、攻撃を強化する姿勢を示している。UNRWAによると、ラファに身を寄せていた人のうち80万人がさらに別の場所への避難を強いられ、安全な水の確保も難しい状況に置かれているということで戦闘の拡大が人道状況をさらに悪化させるという懸念が高まっている。こうした中、アメリカホワイトハウスで安全保障政策を担当するサリバン大統領補佐官が19日、イスラエルを訪れ、ネタニヤフ首相などと会談した。ホワイトハウスによると会談で両者は民間人への被害を最小限に抑えながらハマスを確実に打倒する手段について協議したということ。また、サリバン補佐官がラファでの軍事作戦を巡るバイデン大統領の立場を伝えたとしていて、民間人が巻き添えとなる大規模な地上作戦に反対する米国の立場を改めて伝え、ハマスの幹部などに標的を絞った作戦を行うよう働きかけたものと見られる。アメリカのバイデン大統領は「大規模な地上作戦を行った場合は砲弾などの武器を供与しない」と警告していて、イスラエル側の今後の対応が焦点となっている。