アメリカ大統領選の結果を左右する激戦州・ミシガン州の大学で投票のための有権者登録を代行する団体に次々と学生が訪れていた。キャンパス内には期日前投票所も登場した。大学生からの支持が高いハリス氏。しかしパレスチナ自治区ガザ地区やレバノンで軍事作戦を続けるイスラエル軍。民間人の犠牲が増え続けるなかイスラエルへの武器供与をやめないバイデン政権への批判は副大統領であるハリス氏にも向けられている。この日、キャンパス内ではバイデン政権に武器支援の停止などを求める集会が行われていた。すぐ近くではイスラエルを支持する学生らも集会を行っていた。衝突を避けようと誘導する警察と反発した学生が揉み合いになり逮捕者が出るなど現場は一時騒然となった。一方、対立候補のトランプ氏は「史上最も親イスラエルの大統領」を自称。学生たちのなかには今回の大統領選挙でどちらにも投票しないという人もいる。そのミシガン州で両氏の最新の支持率はわずか0.1ポイント差の大接戦となっている。ミシガン州で勝敗のカギを握るのが20万人以上いるアラブ系住民の同行。本来ならハリス氏の支持層だが、中東情勢が大きな逆風になっている。最大都市・デトロイト中心部で行われた停戦を求めるデモではハリス副大統領に投票しないよう呼びかけるプラカードを掲げている人がいる。ハリス氏への抗議の表明として第3の候補に投票するという。それが「緑の党」のジル・スタイン氏。当選の見込みはないが、「イスラエル支援へNOを突きつけよう」などと自らへの投票を呼びかけている。イスラム教徒を対象とした調査ではハリス氏に匹敵する支持を集めている。ミシガン州のアラブ系団体と面会を重ねるなど危機感を示すハリス氏。トランプ氏の勝利を避けるためハリス氏支持を表明する団体もあり、アラブ系住民の間でも意見が割れている。大接戦を制するのはどちらなのか。投票まであと1週間だ。
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