今世界の鉄道需要は環境への負荷が小さいことや人口増加などを背景に年々拡大、市場規模は約32兆円にのぼる。世界の鉄道メーカーがしのぎを削る中AIの活用や環境に配慮した車両の開発。その最前線を取材。先月ベルリンで開かれた世界最大の鉄道技術展示会「イノトランス」、今年は59の国と地域2900社余が出展した。会場で目立つのが環境への配慮を売りにした車両、受注競争が続いている。スイスのメーカーが展示したのは水素や蓄電池を燃料とした列車。電車が走れない地域でディーゼル車両に変わるものとして活用が期待されるとしている。中国メーカーも水素を活用し1000キロ以上走行可能だとしている車両を公開した。新興国向けの車両も目立つ。日本メーカーはメンテナンスの最新技術を公開。車両に取り付けたカメラのデータを半導体大手エヌビディアのソフトウェアなどを利用して解析する。長年列車の保守やメンテナンスに力を入れてきたメーカー。1つの列車に100個ほどのセンサーを取り付け、データを10年にわたり蓄積している。データ活用の魅力はコスト削減。部品交換のサインで交換部品が最大3割減らせたという。最新技術はイタリアなどに「投入する最新車両に搭載予定。AIをつかったメンテナンス技術は外国メーカーも力を入れている。