デジタル技術を活用し別れの悲しみをケアする考えは世界でも広がりを見せている。グリーフテックはグリーフとテクノロジーを足した言葉でITやAIで死別などによる悲しみを緩和し心の回復をサポートする可能性が期待されており、様々なサービスが始まっている。BBCによるとコロナ禍で多くの人が命の大切さに気づかされ、死についての抵抗感が和らいだことなどが背景にあげられるという。中でも注目されるのがAIを使ったサービス。欧米では故人の記憶や声をAI技術で再現し対話できるようにするサービスが注目されている。生前に録音された音声などを元にAIが故人の声で会話を再現。中国ではよみがえりビジネスとして子どもを亡くした親などからの需要があるという。日本でも去年からサービスが開始されている。こうしたサービスには賛否の声がある。AI技術は亡くなった親族の思い出を保存し悲しみを和らげる手助けをしているという声がある一方、サンタクララ大学のライク氏は「故人にも尊厳や権利は存在しており、本人の考えや言葉を大きく歪めてしまう可能性がある」と指摘している。柳澤氏は遺されたものが自分の悲しみを癒やすためだけに勝手に変えることについては慎重にすべきなどと考えを述べた。