インクルーシブデザインという方法で作られている生活用品。ファッション通販の大手が去年8月から販売を始めたパンツは車いす利用者の意見を取り入れて作られたインクルーシブウェア。ファスナーが両脇に付けられ前が大きく開くことで車いす利用者でも着替えが楽にできる。商品開発の中心となった長田富男さんには重度の心身障害のある娘がいて、出かける時には車いすを利用する。おむつを履き替えさせるため何度もパンツを脱がせたり履かせたりするが通常のパンツだと一苦労。もっと簡単に着替えができて可愛い服があればと、車いす利用者の悩みを解決する服を作りたいと提案。市場ニーズがあるとして会社に受け入れられた。商品開発にあたり地元の特別支援学校の生徒と保護者にアンケートをとったところ、寝た状態での脱ぎ着が大変、床ずれができやすい、足の装具を内側に入れたいなどの意見が寄せられた。障害がある人のために既製服のお直しサービスをする会社のノウハウを取り入れ、着替えに手間がかからないようパンツにファスナーをつけ、床ずれを防止するため通常お尻にある縫い目をなくした。まだ大きな利益は上げていないが、高齢者などにもニーズはあり、売り上げは伸びると考えている。