マルチバースは「宇宙は一つではない」を意味する科学用語で、マルチバースと紐づけられた映像作品は2013年以降、急増している。近年では「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」、アカデミー賞主要7部門を独占した「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」が話題となった。天文学者のヨハネス・ケプラーが著した「夢」は空想科学小説の先駆けとされ、21世紀になっても様々なSF作品が人気を博す。エンタメの世界観は最新研究の影響を受けていて、「マルチバース」には量子が関連しているという。マルチバースをめぐって2つの説が唱えられている。最初が「永久インフレーション宇宙」。インフレーションはなにもない状態から時間と空間が生まれ、急膨張する事象で、宇宙の外側では今も続き、様々な宇宙を生み出しているとされる。もう一つは「ブレーンモデル宇宙」。人々が暮らす宇宙の外側では様々な次元の空間があるという。
松原隆彦教授によると、この世界の法則などを調べるなか、物理の方法論ではうまく説明できない部分があり、マルチバースの観点からなら理解しやすいという。ただ、観測できておらず、さらなる研究が待たれる。現代ではネット、オンライン技術の発展で現実とは異なる自分自身をデジタル空間に作り上げることができる。三宅陽一郎氏は「単一の世界観で描かれたコンテンツにはもう満足できない。多様な面をもつ世界が求められている」などと話す。「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」では終盤、マルチバースを行き来する主人公に「すべてのものに意味はない」と宣告される。監督は「すべてのものに意味はあると思いすぎると、頭がパンクしそうになる。あえて、すべてのものに意味がないと考えてみるのは重要。その時、本当に大事なものを選ぶことができるはず」と話す。宇宙の姿を追い求めてきた科学研究は我々は何者かという問いを突きつけるのかもしれない。確かなことは我々はこの宇宙で生きているということ。その存在自体が奇跡なのかもしれないと思うと、1つ1つの選択に意味が感じられる。
松原隆彦教授によると、この世界の法則などを調べるなか、物理の方法論ではうまく説明できない部分があり、マルチバースの観点からなら理解しやすいという。ただ、観測できておらず、さらなる研究が待たれる。現代ではネット、オンライン技術の発展で現実とは異なる自分自身をデジタル空間に作り上げることができる。三宅陽一郎氏は「単一の世界観で描かれたコンテンツにはもう満足できない。多様な面をもつ世界が求められている」などと話す。「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」では終盤、マルチバースを行き来する主人公に「すべてのものに意味はない」と宣告される。監督は「すべてのものに意味はあると思いすぎると、頭がパンクしそうになる。あえて、すべてのものに意味がないと考えてみるのは重要。その時、本当に大事なものを選ぶことができるはず」と話す。宇宙の姿を追い求めてきた科学研究は我々は何者かという問いを突きつけるのかもしれない。確かなことは我々はこの宇宙で生きているということ。その存在自体が奇跡なのかもしれないと思うと、1つ1つの選択に意味が感じられる。