テーマは「PFAS」。主にフッ素や炭素からなる化学物質の総称で、自然界では分解されにくく、体内に入ると長期間、残りやすいといわれている。泡消火剤などに使われていて、発がん性などの健康リスクも指摘されている。今、地下水などで検出され、東京・立川市などで基準値を上回る値が出ているほか、全国各地に問題が広がっている。静岡市清水区の三保松原で有名な地域の井戸水から去年9月、発がん性が指摘される、PFASが大幅に超える値で検出された。住民は井戸水を飲むことをやめ、現在は水道水を使っている。高濃度PFASの原因とされるのが化学工場。発がん性を指摘される11年前まで使用していた。国の暫定目標値57グラムを大きく超える1万1000ナノグラムを出した三保のポンプ場で今、民間企業によってPFASを取り除く技術を向上させる実証実験が行われている。この技術に可能性を感じた静岡市はウォーターアリンテックの親会社、AホールディングスとPFAS除去に向けた連携協定を正式に締結。自治体も企業価値を見い出すPFAS除去装置。今、ウォーターアリンテックは全国の自治体に営業をかけている。岡山市に隣接する吉備中央町では、取水源の浄水場の水から国の暫定目標値の28倍のPFASを検出。町は地元企業が取水源上流に保管した使用済み活性炭が原因とみており、町民に全国初となる、公費による血液検査を実施する予定。その川下にある岡山市では、基準値を超える値は検出されなかったものの、PFAS問題は全国に広まっていることもあり、常に危機意識を持っているという。基地内での訓練や事故などで使う泡消火剤が原因で、土壌や地下水に長期間PFASが蓄積しているといわれている。ウォーターアリンテックは、PFAS除去装置の高まりに手応えを感じていて、数年後には数百億円の利益を見込んでいる。