9月26日を「核兵器の全面的廃絶を目指すための国際デー」に合わせ、ニューヨークの国連本部では各国の高官が集まって会合が開かれた。国連のグテーレス事務総長は演説で”核による威嚇は最高潮に達し、核兵器を使用する脅しさえ聞かれるようになった。”と述べ、核兵器使用を示唆したロシアのプーチン大統領の発言などを念頭に強い危機感を示した。グテーレス事務総長は「核保有国は80年近くたっても軍縮に抵抗を続けている」などと述べ、ロシアとアメリカに対して核軍縮のプロセスに復帰するよう呼びかけた。また、会合にはかつて、アメリカにより67回もの核実験が行わられ住民の強制移住などが行わられたマーシャル諸島のハイネ大統領も参加し、核保有国の指導者に核廃絶に取り組むよう訴えた。また、国連ではこの日、「薬剤耐性」の問題について解決策を話し合うハイレベル会合も開かれた。「薬剤耐性」は、薬の不適切な使用などを背景に病原菌などに特定の薬が効かなくなる問題で2019年には「薬剤耐性菌」に関連して、世界で495万人が死亡したと推定されるなど国際社会で大きな課題となっている。会合では「薬剤耐性」の問題に国際社会が協力して取り組むための政治宣言がとりまとめられ、今後に各国や地域、WHOなどの国際機関が具体的に対策を進める指針となる見込みだ。この問題に取り組んできたカリブ海の島国・バルバドスのモトリー首相は演説で「私たち全員が守られる共通の未来を築いていこう」などと呼びかけていた。