先月、イランのライシ大統領がヘリの墜落事故で急死。後任を選ぶため大統領選挙の投票が行われている。イランでは欧米の経済制裁によって市民は苦しい生活を強いられていて欧米との融和路線にかじを切るかどうかが大きな争点になっている。欧米の厳しい制裁を背景に去年の消費者物価指数は45%以上、上昇。しかし現体制は強硬姿勢を崩そうとせず制裁解除の道筋を示せていない。市民の不満を取り込んで躍進しているのがペゼシュキアン元保健相。欧米などとの対話に前向きな姿勢を強調している。大統領選の候補者5人のうち改革派はペゼシュキアン氏しかいない。出馬できなかった1人が現体制に批判的とみられているアフマディネジャド元大統領。退任後ほぼ毎日、市民との対話を続け貧困層を中心に熱狂的な支持者が多いというが事前審査で出馬が認められなかった。事前審査を行っているのが護憲評議会は現体制の最高指導者ハメネイ師の影響下にあるとされる。審査にハメネイ師の意向が反映されていないというが、穏健派や改革派の有力者は次々失格にされ、現体制に近い保守強硬派は複数立候補が認められている。有力視されているうちの一人が現体制を支える革命防衛隊の元幹部ガリバフ候補で、大統領に選ばれれば強硬路線の継承が確実視されている。大統領選挙は日本時間のきょう大勢が判明する見通し。