デモの発端は7月に行われた国民議会総選挙にあるよう。選挙では与党連合が大幅に議席を減らし敗北。左派連合が最大勢力となっていた。極右政党国民連合も議席を増やし第三勢力となったが、いずれも過半数は獲得できず大統領に任命権がある首相について、どの勢力から任命するかで難航。5日、フランス・マクロン大統領が首相に任命したのは第四勢力である中道右派共和党からバルニエ73歳だった。バルニエは農業漁業相や外相などの閣僚を歴任し、英国がEU(ヨーロッパ連合)を離脱した際のEU側首席交渉官を務めた。BBCによるとフランスでは「ムッシュブレグジット」として知られ、経験と人脈でこの難局を乗り切ることを期待されている。これに異を唱えたのが最大勢力の左派連合。最大会派・不服従のフランス・メランション党首は「選挙がフランス国民から盗まれた」と反発し各地で抗議デモを展開。バルニエの不信任案の提出をすでに計画。時事通信によると極右国民連合・バルデラ党首は、政党単位では第1党となっているため「バルニエは我々の監視下にある我々なしでは何もできない」と圧力をかけている。怒りの矛先は、フランス・マクロン大統領にも向いているそう。世論調査機関・エラベが6日に公表した調査結果では、有権者の74%がマクロン大統領が選挙結果を無視したと回答しているとロイター通信は報じている。2027年まで任期のあるマクロン大統領だが、7日に行われた抗議デモでは、参加者からマクロン大統領の弾劾を求める声も上がっていた。末延さんは「民意無視となるため、マクロン政権はますます弱体化する」などとコメント。吉永さんは、「おそらくこの方を選んだのはベテランで力があり不信任が通りにくい構成だからなどの見方があるが、難しい人選だったと思う」などとコメント。