ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナ。兵士たちは戦地で命を落としたり戦闘で障害を追ったりするリスクと常に隣り合わせ。こうした中、兵士の間で自らの精子を凍結保存する動きが広がっている。実際にそうした精子を使い子どもをもうけるケースも出始めている。そこには戦時下の切実な願いがあった。キーウにある不妊治療専門のクリニック。戦地に赴く兵士から精子の凍結保存の希望が相次ぎクリニックでは無料でできる取り組みを始めた。こうしたクリニックはウクライナ国内で数十か所に増えているという。その一方でウクライナでは兵士が死亡した場合法律の整備が追い付いていなかった。ウクライナ議会は去年11月兵士たちの精子の凍結保存を補助する法案を可決。更に今年2月には兵士が死亡後も3年間国の負担で凍結した精子を保管できるよう法律を改正。死亡した兵士の生前の凍結精子で体外受精が可能となった。ダリー医師は「兵士への支援は様々な形があり医療を提供するという手段もある。医師ができることはウクライナ人の遺伝子を守ることであり私たちの助けが必要なのです」と話している。