南極の近く大西洋に浮かぶフォークランド諸島。今回の主役は、ペンギン界のスーパーアスリートといわれるジェンツーペンギン。全長は80cmほどでペンギンの中では大柄だが体型は他のペンギンと変わらない。ペンギン界最速ランナーで時速10キロほどで走ることができる。ジェンツーペンギンは毎日夕方になると大群で島に上陸。海から上がった後、約1.5kmの荒野を走り、繁殖地へ戻っていく。繁殖地にいるのは親鳥を待つ雛たち。ジェンツーペンギンが必死に荒野を走る理由には、おなかをすかせた雛に一刻も早く餌をあげるためだった。全長2mにもなるアシカの仲間・オタリアは、ペンギンの天敵。海の中だけでなく、陸上でも襲いかかってくる危険な相手である。ジェンツーペンギンにとって走ることは生きること。素早く動けないものは生き残れない。