来週、いよいよ初日を迎える注目の大相撲三月場所。長年、角界を支えている職人たちを取材。部屋別優勝は最多の52回名門、九重部屋。毎朝、稽古を終えると力士の象徴のまげを床山と呼ばれる専門の職人が結っていく。九重部屋には2人の床山が所属し、それぞれ階級は上から2番目の一等床山。初めに力士の長い髪の毛をもみながらほぐしてくしで汚れを取っていく。ここで手に取ったのがびん付け油といわれる整髪料。昔からまげや日本髪を結う際髪を固めて維持するために使われている。その力士御用達のびん付け油を作っているのが東京江戸川区にある島田商店。唯一の店となっても大相撲を支え続け、相撲協会からは感謝状も贈呈されている。先代の父、島田秋廣と跡を継いだ島田陽次。今年で60年になる。びんつけ油の工程を紹介。一等床山の床岳は15歳で九重部屋に所属。昭和の大横綱千代の富士とも忘れられない出来事がある。千代の富士の断髪式を担当する方が大雪で来られなくなり、床岳に突然の大一番が巡ってきた。