首都オタワで演説したカナダのカーニー首相。議会下院を解散して来月28日に総選挙を行うと表明した。そのうえで、アメリカとの交渉や経済政策に取り組む決意を表明した。カナダではアメリカによる関税措置でインフレが再加速する可能性が高まっていることに加え、トランプ大統領の“カナダはアメリカの51番目の州になるべきだ”という主張に反発が強まっている。カーニー首相はカナダとイギリスの中央銀行総裁を経て今月14日に首相に就任したばかりだが、その手腕への期待などから与党自由党の支持率が急速に回復しており、公共放送CBCの世論調査では野党・保守党を逆転した。一方、政権交代を目指す保守党もカナダファーストを掲げてアメリカへの報復関税を打ち出すなど、選挙はアメリカにどう向き合うかが最大の争点になる。