緊迫する中東情勢は、1か月後に迫った米国大統領選挙にも影響している。焦点の1つが、中東への関心が強いアラブ系米国人の票の動き。全米最大のアラブ系米国人のコミュニティーがある中西部ミシガン州。自動車工場で働く中東からの移住者が多いとされ、アラブ系はおよそ20万人、州人口の2%ほどに上る。アラブ系には、民主党支持の傾向が強く、ミシガン州では4年前、僅差でバイデン大統領が勝利した。ハリス副大統領は、ミシガン州をはじめ、激戦州巡りに尽力。中東情勢については、ガザ地区への人道支援を重視すべきと強調してきた。一方で、イスラエルを止められない民主党政権には強い反発も。州内での集会では、ガザ地区の停戦を訴える抗議の声で、演説が中断する事態も出ている。対するトランプ前大統領。現政権の中東政策を批判し、アラブ系の票の切り崩しを図っている。全米のアラブ系米国人の有権者に対する調査の中には、2人の支持率がきっ抗している結果もある。また、7つの激戦州での有権者の支持率の平均値にはほぼ差がない。大統領選まであと1か月。