ワシントン支局・西河篤俊記者の解説。当初はハリス旋風ともいわれていたが終盤にきてトランプ前大統領が支持を伸ばしていることについて、「トランプ前大統領はハリス氏の言ってみれば、足踏みの隙をつく形で、バイデン・ハリス現政権の移民政策やインフレ対策への批判を強めている。トランプ前大統領は歯にきぬ着せぬ発言などを続けている。こうした変わらない姿勢が、有権者にとっては、ハリス副大統領と比べて安定感があると映って、結果的に底堅い支持につながっているという見方もできそう。一方のハリス副大統領は、いわゆるハネムーン期間が終わった状況という受け止めが広がっている。バイデン大統領が撤退して、大統領候補になったころは、勢いを見せていたが今は頭打ちとなっている。若さやフレッシュさを売りにして注目されたが、政策面で有権者を十分に納得させられていないという指摘も出ている」とコメント。投開票まであと2週間、今後の選挙戦について、「選挙結果の行方を左右する7つの激戦州を見ると、現時点の世論調査ではトランプ前大統領がいずれもリード。そのポイント差は、一番離れている州でも1.8ポイント。4つの州の差は1ポイント未満でいつひっくり返ってもおかしくない状況。もう1点、予想を難しくしているのが期日前投票。先月から全米各地で始まっていて、米国メディアによると、前回選挙の1割近くに当たる1400万人が投票を済ませている。ハリス前大統領が30ポイント近くリードしているというメディアの調査もある。一方でトランプ前大統領の支持者は投票日当日に投票する傾向が強いといわれている。このため両陣営ともまだ投票先を決めていない有権者の票の掘り起こしに向けて、最後まで力を入れることになる」とのこと。