“働きたい”という若者が続々と集まっているコメ農家がある。農業法人の中森農産で働く金城さん、6年前に電力会社から転職したという。同じ職場で働く同僚は19人。平均年齢は30歳。現在の月収は40万円くらい。ボーナスを含めれば、年収はおよそ700万円。勤務時間は午前7時~午後4時まで、シフト制で週休2日。国税庁によると、民間企業で働く人の平均年収は478万円。一方、農業従事者の平均年収は404万円に留まっている。中でもコメの生産者の平均年収は240万円と、特に低くなっている。コメ農家の数は、この50年で6分の1以下に減った。平均年齢は71.1歳と高齢化が進んでいる。中森農産では、カメムシなど害虫駆除の農薬を農業用大型ドローンで散布。操縦は不要で、AIが決めたコースを自動で移動する。ほかにもGPSを搭載した田植え機やスイッチ1つで自動運転するトラクターも導入。今後稲穂の刈り取りは、AIを搭載したコンバインを使う予定で、より自動化を進めていくそう。さらに、耕作放棄地を安く借り、10ヘクタールだった田畑を330ヘクタールにまで拡大。作業の効率化と大規模化を進め、いまでは年商1億円を超えるまでに成長した。大切なのは、若い世代を育て、「働きたい」と思える職場を作ることだという。
