秋の米国大統領選挙まで5日で半年。民主党・バイデン大統領と、共和党・トランプ前大統領が激しく争う構図となっているが、ここにきて無所属・ロバートケネディジュニア氏に流れる票が選挙結果を左右しかねないと、バイデン氏とトランプ氏の双方が警戒を強めている。ロバートケネディジュニア氏は去年10月、当初目指した民主党からではなく、無所属で選挙戦に挑むと表明。民主党が積極的に取り組む気候変動対策から、共和党の支持者が重視するメキシコとの国境管理の強化まで幅広く訴え、両党の支持層の取り込みを狙っている。ケネディ氏は、民主党の有力政治家を輩出してきたケネディ家の出身。長年、弁護士として環境問題に取り組む一方、新型コロナは特定の人種を攻撃していると、生物兵器の可能性を示唆するなど、物議を醸す言動もあり、陰謀論者と呼ぶ米国のメディアもある。ケネディ氏の無所属での立候補にきょうだいたちは“わが国にとって危険なものだ”などと反対し、民主党のバイデン氏を支持すると表明している。きょうだいの反対を受けてもなお、ケネディ氏が無所属で活動を続ける利用だとしているのが、米国の分断の修復。分断への懸念を背景に、両党の支持者を取り込んでいるとみられる。先月の世論調査では14%の支持を獲得(先月下旬ハーバード大学などの世論調査)。バイデン氏とトランプ氏は、自身の支持層から票が流れれば接戦で不利に働くとみて、ケネディ氏への批判を強めている。