2025年4月24日放送 4:15 - 5:00 NHK総合

国際報道
2025 戦時下の法律まで適用し不法移民対策、懸念も

出演者
辻浩平 藤重博貴 酒井美帆 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像のあと、酒井キャスターらがオープニングの挨拶をした。

ニュースラインナップ

「不法移民対策 国外追放に波紋」などとニュースラインナップを伝えた。

(ニュース)
上海モーターショー 米中貿易摩擦の影響が…

トランプ政権による関税措置で世界経済の先行きに不透明感が強まる中、中国・上海できょうから世界最大規模の「上海モーターショー」が始まった。世界各国から約1000社が参加しており、中国のEV最大手のBYDでは今回5分の充電で400km走れるという技術が紹介された。日本のホンダは中国の生成AI・ディープシークを取り入れたEVを発表。日本の自動車大手3社は、搭載するソフトウェアについて中国のIT大手などと組み開発をすすめている。一方、中国の部品メーカーから聞かれたのはトランプ政権による追加関税への懸念。取材した中国部品メーカーはサスペンションなどの部品をアメリカに輸出しており売り上げの10%近くを占めているとのことで、貿易を中断しかねないと話す。各国メーカーは今後も成長が見込まれる中国で事業強化し、中国のEVメーカーはアメリカ以外で販路を拡大する戦略を示した。

キーワード
BYDDeepSeekアメリカトヨタ自動車上海(中国)何小鵬小鵬自動車日産自動車本田技研工業第21回上海国際自動車工業展覧会
米中貿易摩擦 影響は

米中貿易摩擦の中国の自動車市場への影響について、取材した下村さんが解説。アメリカへの自動車輸出はほとんどないため直接的な影響は大きくないというのが中国の自動車メーカーの表向きのコメント。しかし部品などはアメリカへの輸出も多く部品メーカーはサプライチェーンの見直しを迫られる可能性がある。今回のモーターショーでは部品メーカー10社以上にインタビューを申し込むもほとんどが拒否しており問題に敏感になっていることが伺えた。そんな中、安い製品を外国に大量輸出されるデフレ輸出で市場が混乱するおそれもある。

キーワード
NHK中国総局アメリカ上海(中国)
各国メーカーの競争 今後は

新エネルギー車をめぐる各国のメーカー競争について下村さんが解説。新エネルギー車の分野では中国市場が圧倒的な規模をもっており競争は今後も中国メーカー手動で進むとみられ、ソフトウェア開発も中国で加速している。こうした中、日本メーカーは中国のIT大手を組み開発に乗り出している。ホンダはきょうの発表会で中国の技術をさらに活用し新たに価値を生み出すと宣言した。

キーワード
上海(中国)本田技研工業
米中貿易摩擦 緩和に期待 トランプ政権 “軌道修正”か

22日、値下がりした株式を買い戻す動きが広がったニューヨーク株式市場。ベッセント財務長官が非公開の公演で「中国との貿易摩擦は持続可能ではなくごく近い将来に状況が改善される」と見通しを示したと報じられたことで米中貿易摩擦の緩和に期待感が広がった。その流れを後押ししたのがFRBのパウエル議長をめぐるトランプ大統領の「解任する気はない」との発言。利下げをめぐり対立を深め議長を解任するのでは?との懸念が広まっていた。市場では株式だけでなくトリプル安となっていただけに沈静化をはかった格好となった。

キーワード
アメリカジェローム・パウエルスコット・ベッセントダウ・ジョーンズ工業株価平均ドナルド・ジョン・トランプニューヨーク株式市場ニューヨーク証券取引所ブルームバーグ連邦準備制度理事会
イーロン・マスク氏 “政府の仕事にメド” テスラ 大幅な減益決算 発表

この日、大幅減益となる決算を発表したのが「テスラ」。イーロン・マスクCEOの政治的言動をきっかけに欧米などで広がる不買運動の影響を受けたとみられている。マスク氏は決算発表会でトランプ政権での“DOGE(政府効率化省)の仕事に一定のメドがついた”とし、来月から政府での活動時間を大幅に減らす考えを明らかにした。

キーワード
イーロン・マスクテスラ政府効率化省
辻’s ANGLE:揺れるアメリカ経済 財務長官の発言 背景は

マグニフィセント7の株価の株価指数の推移を紹介。一番大きく下がっているのはマスク氏のテスラ。各国での販売の落ち込みや、トランプ関税、マスク氏の政治的言動への反発からくる不買運動などの影響とみられている。トランプ氏との距離の近さに株主や消費者の中には厳しい目を向ける動きもありマスク氏は本業の立て直しに注力するものとみられる。またベッセント財務長官「中国との貿易摩擦は持続可能ではなく、ごく近い将来に状況が改善される」とのの発言で市場に安心感を与えたとされ、この発言が事実だとすれば過去の教訓から発言になっているのではとの指摘が出ている。ベッセント長官は30年以上前、ジョージ・ソロス氏が率いるヘッジファンドで働いていた。その際、このヘッジファンドは英 中央銀行と激しい攻防を繰り広げた。英中央銀行は市場に太刀打ちできずポンドは急落、ヘッジファンドはポンドの買い戻し巨額の利益を上げた。イギリス政府はこの後、通貨政策の根本的見直しも余儀なくされ、金融市場の力が国家の通貨政策を打ち負かした。ソロス氏はイングランド銀行を負かした男とすら呼ばれた。トランプ大統領の異例の関税政策は一時、アメリカの株、債権、通過がいずれも売られるトリプル安につながった。このまま中国との正面衝突を続けるのは現実的ではないとの見方をベッセント長官が示したとすれば、それは国家の政策は金融市場には敵わないとの経験があるからだとアメリカのメディアは報じている。

キーワード
アメリカイギリス中央銀行イーロン・マスクカリフォルニア州(アメリカ)ジョージ・ソロススコット・ベッセントテスラドナルド・ジョン・トランプマグニフィセント・セブン中国
イラン 経済回復へ期待感

アメリカの制裁の影響で、リアルが暴落しインフレが続くイラン。アメリカとの交渉の進展に国内に期待が広がると、一転。リアルの価値は急上昇、10日間で21%も値上がりした。市民の中にはビジネスチャンスの拡大に期待を寄せる人もいる。アリ・バハリさんはイラン伝統のペルシャじゅうたんの販売店を営んでいる。かつてアメリカは輸出先として最大の市場だったが、制裁で輸出による売り上げは20分の1に。協議が進展すればかつての活気を取り戻せると期待している。輸入品を扱う業者にも期待が広がっている。携帯電話ショップで販売しているのが、イランでも人気のアップル iphone16。値段は26万円相当、日本での購入価格の2倍位上になる。お店ではアメリカとの協議がまとまりこのままリアルの価値が持ち直せば、より買い求めやすい価格になると見込んでいる。イランはアメリカとの交渉をどう進めようとしているのか。政府の報道官は合意に至らなかった場合に軍事行動に出る可能性を示唆するトランプ政権について、警戒感を解いていないことを明らかにした。その上でイラン側としてはあくまで真剣に新たな合意を目指し交渉を加速化させる姿勢を強調した。

キーワード
iPhone16アップルアメリカイランテヘラン(イラン)
ウクライナ情勢 “和平案”めぐる駆け引き

20日、ウォール・ストリート・ジャーナルがアメリカ側がウクライナに和平案を提示して、ウクライナ側が回答を迫られていると報じた。それによると、クリミアのロシアによる併合をアメリカが承認することや、NATOへのウクライナの加盟を認めないことなどの内容が含まれている。トランプ政権は停戦に向けた協議に前進がみられない場合、仲介をやめる可能性も示している。進まない停戦協議に苛立ちをみせて、ロシアとウクライナの双方に歩み寄りを求めてきたトランプ大統領。そのアメリカがウクライナに示したという和平案の内容が報じられたことについて、ゼレンスキー大統領は「正式な提案は聞いていない」などと話している。そして、まずはロシアが無条件の停戦に応じるべきだと強調した。フィナンシャル・タイムズは、プーチン大統領がアメリカのウィトコフ特使に対して、現在の前線で侵攻停止する案を示したと報じている。ロシアはこれまでクリミア半島に加えて、4つの州全域の領有権を主張してきたが、いずれも完全に掌握することはできていない。ホワイトハウス報道官は22日、ウィトコフ特使が今週後半にロシアを訪れると発表した。

キーワード
ウォール・ストリート・ジャーナルウラジーミル・プーチンサンクトペテルブルク(ロシア)スティーブ・ウィトコフドナルド・ジョン・トランプフィナンシャル・タイムズホワイトハウスワシントン(アメリカ)ヴォロディミル・ゼレンスキー北大西洋条約機構
WOW!The World
ロシア 氷上で釣りをしたら…

ロシア峡東地域の岸辺、氷に穴を開けて釣りに興じる人々の車で溢れている。しかし、氷が次々に割れだしてしまった。救助車両が出動して、釣り人は無事に救助されたとのこと。

キーワード
ロシア
中国 世界たこフェスティバル

中国・山東省で世界たこフェスティバルが開催。50以上の国や地域が集まった257チームがたこを披露した。

キーワード
山東省(中国)
SPOT LIGHT INTERNATIONAL
トランプ政権 “不法移民”対策 変わる国境・国外追放の波紋

アメリカとメキシコの国境の町であるアリゾナ州・ノガレスでは、トランプ政権の不法移民対策により国境を超える人が激減しているという。トランプ政権によると、メキシコからの国境を不法に越えてきた人は、1年前と比べ90%以上減少している。今月、アリゾナ州で国境警備に関するイベントが行われ、様々な監視カメラなどの機器が紹介された。会場には政権の大物が駆けつけ、不法移民対策の成果をアピールしていた。また、トランプ政権は国境警備強化だけでなく、不法入国者の国外追放にも乗り出している。根拠としているのは、1798年に制定された、戦時中に敵国出身者などを裁判手続きなしに拘束・国外追放できる「敵性外国人法」となる。トランプ政権は、200人以上をギャング組織のメンバーとして、エルサルバドル刑務所へ送り込んだが、人権団体からは「ギャングメンバー認定の根拠が明かされず、法的・人道的に問題がある」と批判が相次いでいる。また、ニューヨーク・タイムズも「ギャングとつながりがあると見られる人はごくわずかだった」と独自の調査結果を伝えている。今月、連邦最高裁判所は、エルサルバドルに強制送還された男性について誤りだったと指摘し、帰還支援を政権に求めている。しかし、これに対しトランプ政権は応じない方針だという。

キーワード
アメリカ国土安全保障省アーカンソー州(アメリカ)エルサルバドルクリスティ・ノームトム・ホーマンドナルド・ジョン・トランプニューヨーク・タイムズ 電子版ノガレス(アメリカ)パティ・モリンフェニックス(アメリカ)ベネズエラホワイトハウスワシントン(アメリカ)合衆国最高裁判所国立公文書館敵性外国人法
国民の受け止め

最新世論調査では、トランプ大統領の移民を巡る政策について、「支持する」が50.9%、「指示しない」が45.8%となっている。トランプ大統領は、不法移民対策について、依然として国民の根強い支持を得ていると考えているという。

キーワード
アリゾナ州(アメリカ)リアルクリアポリティクスワシントン(アメリカ)
政策 今後どうなる

西河さんは「今後議論になるのは、誰を不法移民の対象にするかで、バイデン政権が移民に寛容な政策を進めて受け入れた人たちも不法移民とみなされ、国外追放になる可能性があります。一方、アメリカではこういった人たちは幅広い分野で経済を支えているとも言えるでしょう」などと話した。

キーワード
ワシントン(アメリカ)
分かれる受け止め

西河さんは「移民は、見方によっては国にメリットをもたらしてくれる側面はあると思います。問題は、時の政権によって対応が変わることは矛盾ができているのだと思います」などと話した。

キーワード
ワシントン(アメリカ)
Human@globe
古典民謡歌手 シュム・バイさん(21) 防災よびかけ 歌に込めた思い

きょうはパキスタンの古典民謡歌手、シャム・バイさん。シャムさんが暮らす南部・シンド州は3年前、国土の3分の1位が水没したとも言われる大規模洪水に見舞われ、いまだ復興途上にある。パキスタンは気候変動の影響を最も受けやすい国の1つとされ、今後も水害への備えが欠かせない。シャムさんはそうした防災の意義を人びとに広く知ってもらおうと自らの歌で呼びかけ続けている。歌に込めた思いを取材した。

キーワード
シンド州(パキスタン)

パキスタン南部シンド州・タンドアラヤール。地元に伝わる古典民謡の歌手、シャム・バイさんに話を聞く。師匠でもある父親と各地を訪れ、人々が集まる場で歌を披露している。演奏しているのは伝統楽器・シタール。太鼓などの音色に合わせて歌う。シャムさんが特に今力を入れているのが大雨や洪水などの異常気象の恐ろしさを伝える歌。この地域では文字が読めない人も少なくない。さらに大勢で集まって古典民謡を聴く独特の文化があることから歌は効率的に防災を伝える手段になるという。きっかけは3年前にパキスタンを襲った洪水だった。伝統的なレンガと泥で建てられた住宅は大雨に耐えきれなかった。死者は約1,700人、被災者も3,300万人以上にのぼった。自らも被災し自宅を流されたシャムさん。途方に暮れる住民たちの中で「自分にできることは何か」と考え続けたという。その結果、歌で防災の意義を訴え、その後は災害から実際に家を守るための具体的な対策も伝授することとした。大雨での倒壊を防ぐため、雨季になる前に屋根にシートを敷くことも有効だと伝える。歌で訴えかけ、実際にできる防災対策も伝える。村々に直接足を運ぶシャムさんならではの取り組み。シャムさんの活動の輪はさらに広がりを見せている。この日に向かったのは地元の学校。子どもたちにも異常気象への備えを呼びかけるため。シャムさんの呼びかけで村にきを植えるなどの対策に子どもたちも一役買っている。パキスタンを襲う異常気象から人々の命を守りたい、シャムさんは願いを込めてきょうも歌う。シャムさんは現在、最大都市・カラチでのイベントに招かれるなど活動の場を広げている。

キーワード
タンドアラヤール(パキスタン)
(エンディング)
皆さんの声を募集

番組では視聴者の声を募集中。60代・介護職の方からの「世界中の生活者の情報を視聴したい。為政者が権力を持とうとも庶民がいなければ歴史が紡がれてこなかった」との投稿を紹介した。

あすは

あすの「国際報道」の番組宣伝。ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナへの支援について。現地で活動するJICAのウクライナ事務所長に戦時下で行う支援の課題について聞いた。

キーワード
国際協力機構
1 - 2

© 2009-2025 WireAction, Inc. All Rights Reserved.