きょうはパキスタンの古典民謡歌手、シャム・バイさん。シャムさんが暮らす南部・シンド州は3年前、国土の3分の1位が水没したとも言われる大規模洪水に見舞われ、いまだ復興途上にある。パキスタンは気候変動の影響を最も受けやすい国の1つとされ、今後も水害への備えが欠かせない。シャムさんはそうした防災の意義を人びとに広く知ってもらおうと自らの歌で呼びかけ続けている。歌に込めた思いを取材した。
パキスタン南部シンド州・タンドアラヤール。地元に伝わる古典民謡の歌手、シャム・バイさんに話を聞く。師匠でもある父親と各地を訪れ、人々が集まる場で歌を披露している。演奏しているのは伝統楽器・シタール。太鼓などの音色に合わせて歌う。シャムさんが特に今力を入れているのが大雨や洪水などの異常気象の恐ろしさを伝える歌。この地域では文字が読めない人も少なくない。さらに大勢で集まって古典民謡を聴く独特の文化があることから歌は効率的に防災を伝える手段になるという。きっかけは3年前にパキスタンを襲った洪水だった。伝統的なレンガと泥で建てられた住宅は大雨に耐えきれなかった。死者は約1,700人、被災者も3,300万人以上にのぼった。自らも被災し自宅を流されたシャムさん。途方に暮れる住民たちの中で「自分にできることは何か」と考え続けたという。その結果、歌で防災の意義を訴え、その後は災害から実際に家を守るための具体的な対策も伝授することとした。大雨での倒壊を防ぐため、雨季になる前に屋根にシートを敷くことも有効だと伝える。歌で訴えかけ、実際にできる防災対策も伝える。村々に直接足を運ぶシャムさんならではの取り組み。シャムさんの活動の輪はさらに広がりを見せている。この日に向かったのは地元の学校。子どもたちにも異常気象への備えを呼びかけるため。シャムさんの呼びかけで村にきを植えるなどの対策に子どもたちも一役買っている。パキスタンを襲う異常気象から人々の命を守りたい、シャムさんは願いを込めてきょうも歌う。シャムさんは現在、最大都市・カラチでのイベントに招かれるなど活動の場を広げている。
パキスタン南部シンド州・タンドアラヤール。地元に伝わる古典民謡の歌手、シャム・バイさんに話を聞く。師匠でもある父親と各地を訪れ、人々が集まる場で歌を披露している。演奏しているのは伝統楽器・シタール。太鼓などの音色に合わせて歌う。シャムさんが特に今力を入れているのが大雨や洪水などの異常気象の恐ろしさを伝える歌。この地域では文字が読めない人も少なくない。さらに大勢で集まって古典民謡を聴く独特の文化があることから歌は効率的に防災を伝える手段になるという。きっかけは3年前にパキスタンを襲った洪水だった。伝統的なレンガと泥で建てられた住宅は大雨に耐えきれなかった。死者は約1,700人、被災者も3,300万人以上にのぼった。自らも被災し自宅を流されたシャムさん。途方に暮れる住民たちの中で「自分にできることは何か」と考え続けたという。その結果、歌で防災の意義を訴え、その後は災害から実際に家を守るための具体的な対策も伝授することとした。大雨での倒壊を防ぐため、雨季になる前に屋根にシートを敷くことも有効だと伝える。歌で訴えかけ、実際にできる防災対策も伝える。村々に直接足を運ぶシャムさんならではの取り組み。シャムさんの活動の輪はさらに広がりを見せている。この日に向かったのは地元の学校。子どもたちにも異常気象への備えを呼びかけるため。シャムさんの呼びかけで村にきを植えるなどの対策に子どもたちも一役買っている。パキスタンを襲う異常気象から人々の命を守りたい、シャムさんは願いを込めてきょうも歌う。シャムさんは現在、最大都市・カラチでのイベントに招かれるなど活動の場を広げている。