米国・バイデン大統領は、日本製鉄による米国鉄鋼大手・USスチールの買収を阻止すると正式に発表した。バイデン大統領は3日、USスチールの買収計画につて、原則30日以内に計画を完全かつ永久に放棄するために必要なすべの措置を講じるよう命じた。日本企業の買収、合併に米国の大統領が中止命令を出すのは初めて。米国ホワイトハウス・ジャンピエール報道官は「大統領は本日、米国の安全保障と供給網の強靭さを守るために常に行動すると改めて示した」と述べ、中止命令は「政府の外国投資委員会の判断に基づく決定であり、鉄鋼産業を米国に残すため、安全保障上重要な措置だった」と強調した。この決定を受け、日本製鉄は「失望している」としたうえで、「米国の利益につながる競争を活性化する本買収を拒否し、同盟国である日本国をこのように扱うことは衝撃的であり、非常に憂慮すべきこと」とコメントし、この決定が「大統領の政治的な思惑のためになされたものであり、法令に違反している」と批判した。今後、USスチールとともに「法的権利を守るためのあらゆる措置を追及する」として、法的措置も辞さない構えを鮮明にしている。