3月、次々と草むらに降り立つカワウ。頭が白いのは繁殖期を迎えた合図。枯れた植物を使って巣を作っていた。カワウは1か所に集まって巣を作るのが特徴。琵琶湖には1600もの巣が集まるところもある。巣の材料を運ぶのはオスの仕事。足に水かきのある水鳥は枝の上は歩けない。カワウも得意ではないが、水かきが大きく、しなやかなため歩くことができる。6月、カワウの巣には雛がいた。親鳥は葉のついた枝を巣に敷き詰めた。これは温度や湿度を保つためと考えられる。雨が降ると、自分で体温を維持することができない雛のために親鳥が傘になる。しかし、水を弾く効果はないため、親鳥は体温を奪われる。一方、よく晴れた日には暑さが襲う。黒い体は太陽の熱を吸収してしまう。親鳥は川で水を飲み、巣に帰ると雛に向かって口からシャワーのように水をかけた。