2025年5月11日放送 19:30 - 20:00 NHK総合

ダーウィンが来た!
「波乱万丈!水中の名ハンター カワウ」

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(オープニング)
オープニング

オープニング映像。今回のテーマは「波乱万丈!水中の名ハンター カワウ」。

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カワウ琵琶湖
波乱万丈!水中の名ハンター カワウ
第1章 水中特化のスゴ腕ハンター

日本伝統の漁「鵜飼い」。飼い慣らした鵜を操り、アユなどを捕まえるこの漁でカワウは古くから活躍してきた。現在は体が大きく、魚が多くとれるウミウを使うのが主流。しかし、あえてカワウとともに漁をする人もいる。その魅力は抜きん出た狩りの能力。日本全国の川や湖に暮らすカワウ。翼を広げると1.3m、日本の水鳥の中では大型の部類。体は大きいが、水中では俊敏な動きをする。トップスピードは秒速4m。足の指の間には大きな水かきがあり、同じ水鳥のカモと比べると1枚多い。さらに脚はお尻寄りにあるため、泳ぐ時に体が脚と一直線になり、水をかく力が効率よく伝わる。また、カワウは体が水に沈む。水鳥の多くは尾脂腺という場所から分泌される油を羽毛に塗ることで水を弾き、浮力を保つ。一方、カワウは尾脂腺が発達していないため、羽毛が水を弾かない。浮力が低下すると、潜水しやすく、水中での動きが自在になる。カワウは水に潜った後、羽を乾燥させる。黒い体は熱をよく吸収するため、短い時間で乾くという。カワウはとった魚を鵜呑みにする。喉は柔軟で獲物の形に合わせ、ゴムのように伸びる。尖ったくちばしを刺し、魚を安定して持ち上げることで頭から鵜呑みにすることができる。

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日の出直後、カワウが群れで琵琶湖に現れた。岸の近くに降り立つと狩りを始めた。しかし、すぐに飛び立って移動し始めた。岸に沿うように移動しながら、不可解な行動を繰り返していた。カワウの専門家・須藤明子博士はアユの群れを一定の方向に誘導しながら自分たちの都合のいい浅い方へ誘導していると話した。実はカワウが食べることによって遡上するアユが激減し、漁業を営む人たちが大打撃を受けているという。カワウは魚が多い川の中流や下流、湖の近くで暮らす。そこは人間にとっても魚がとれる場所。カワウと人は古くから魚をめぐるライバル関係にあった。しかし、高度経済成長期に水質の悪化と開発によって魚が激減。カワウも数を減らし、一時は全国で3000羽まで減った。その後、環境が改善されて魚が戻ってきたが、同時に全国で進んでいたのが河川改修。護岸が整備され、大きな石のない川が増えていった。魚の隠れる場所が減り、カワウにとっては狩りがしやすい環境となり、急速に増えていった。2000年代には15万羽まで増えた。カワウの増加とともに漁業被害が拡大。現在は捕獲によって数を減らす取り組みが行われている。こうした現状を改善しようと全国各地で取り組みが始まっている。簡単に狩りができないように木で魚が隠れる場所を作ることで、そこに暮らすカワウの数も自然な状態に近づいていくと考えられている。

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カワウが建てた小学校

カワウと強い絆で結ばれた地域がある。愛知・美浜町の上野間小学校の校章にはカワウが描かれており、裏山の東屋にもカワウがいる。古くからカワウが集団で巣を作る鵜の山。木の上に巣を作り、下に落ちたフンが堆肥として収入源になったという。カワウのフンを集めて得たお金で学校が建てられた。フン集めは村をあげての事業、昭和40年代まで続き、収益は災害の復興資金などにもあてられた。地域のことを学べるかるたにもカワウの姿が描かれている。

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第2章 子育てに密着!水中特化の落とし穴

3月、次々と草むらに降り立つカワウ。頭が白いのは繁殖期を迎えた合図。枯れた植物を使って巣を作っていた。カワウは1か所に集まって巣を作るのが特徴。琵琶湖には1600もの巣が集まるところもある。巣の材料を運ぶのはオスの仕事。足に水かきのある水鳥は枝の上は歩けない。カワウも得意ではないが、水かきが大きく、しなやかなため歩くことができる。6月、カワウの巣には雛がいた。親鳥は葉のついた枝を巣に敷き詰めた。これは温度や湿度を保つためと考えられる。雨が降ると、自分で体温を維持することができない雛のために親鳥が傘になる。しかし、水を弾く効果はないため、親鳥は体温を奪われる。一方、よく晴れた日には暑さが襲う。黒い体は太陽の熱を吸収してしまう。親鳥は川で水を飲み、巣に帰ると雛に向かって口からシャワーのように水をかけた。

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第3章 試練の冬!に異変あり!?

気温が低く、獲物の魚が激減する1月はカワウにとって最も厳しい季節。特に若鳥は半数が冬を越せずに命を落とすという。しかし、そんな状況が近年変わりつつある。琵琶湖北東部の港で大きな魚を飲み込むカワウの姿が。ブラックバスやブルーギルなどの外来魚を食べていた。港は水深が浅いため、水が温まりやすく、陸から温かい水が流れ込むこともある。琵琶湖の在来種は水温が低い深いところで冬を越すが、本来は温暖な地域に暮らす外来魚は温かい港に集まる。カワウはそれを狙っていた。水産研究・教育機構の坪井潤一博士は外来魚を食べてカワウが生き延びてしまうと不自然に増えてしまうと話した。しかし、そもそもの原因は人間が生み出した環境の変化。坪井潤一博士は私たちが日本の水辺のことをもっと考えていかなければならないと指摘。

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3月、琵琶湖へ流れ込む川の河口にカワウたちが集まってきた。目当ては産卵のために集団で遡上するウグイの仲間。大人に混じって若鳥の姿も。この後、カワウたちはつがいの相手を見つけ、また子育てが始まる。

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(エンディング)
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