今年、紅白の司会を務める有吉弘行さんは、27年前、民法の番組のヒッチハイク企画で大ブレイクした。歌手デビューも果たし、「白い雲のように」はミリオンセラーの大ヒットとなった。しかし人気は続かず仕事は激減し、食べるにも苦労するような状況だった。不遇の時代を支えてくれたのが、同じ事務所の先輩芸人・ダチョウ倶楽部だった。上島竜兵さんの呼びかけで始まった竜兵会という飲みの集まりで、よく食事をごちそうになっていた。竜兵会には上下関係はなく、友人のように大騒ぎする日々を過ごした。先輩にきついことを言ったりやったりしても“いいぞいいぞ”という感じだった。ダチョウ倶楽部の肥後克広さんも、上島さんや有吉さんと過ごしたあの時間はかけがえのないものだったと感じている。苦しい日々を過ごす有吉さんを一際気にかけていたのが、亡くなった上島さんだった。有吉さんは「竜兵会がなければいま絶対こういう仕事はやっていない」と語る。有吉さんはその後、毒舌キャラをきっかけに再ブレイクを果たした。NHK、民放キー局全てでレギュラー冠番組を持つまでになった。去年、有吉さんはダチョウ倶楽部とともに紅白にゲスト出演した。有吉さんは上島さんを近くに感じながらステージに立っていた。今年は司会として紅白に参加するが、有吉さんの胸には今も上島さんへの思いがある。有吉さんに良いことがあった時には、いつも上島さんから電話がかかってきていた。今も電話が震えるたびに、上島さんからかかってきたんじゃないかと感じるという。有吉さんは、「きっと上島さんは“いいぞいいぞ 大丈夫だろう”と言ってくれていると思うので、しっかり頑張ろうと思う」と語った。竜兵会は有吉さんにとって、これからも変わらない大切な居場所。紅白歌合戦は大晦日19：20から生放送でお送りする。