映画監督の早川千絵さんは長編2作目でカンヌ映画祭にノミネートされた。「ルノワール」は仕事に追われる母親とガンで闘病する父親を持つ小学生の女の子の物語。早川監督自身の父親もがんを患っており、当時の記憶を映画に取り込んだという。監督が描きたかったのは自身の父親のことではなく、幼い子供の心の揺れ動き。子どもの目線から見た大人の姿が繰り返し描かれている。早川監督は「子どもの頃は親が完全な存在、完璧な大人だとなんとなく思っている。それがそうではない。だめなところもあれば弱いところも格好悪いところもあるとわかってきて、そこが分かってちょっと心が痛くなるときにちょっと自分が大人になってこれが大人になるということなのかと感じていた」と語った。