イギリス・ベイクウェルを出発し、英国最古の国立公園、ピークディストリクト国立公園のトレッキングコースを歩く。公園の面積は東京23区の2倍以上あるという。ゴールは歩くことの原点とされる「キンダースカウトの丘」。道中にはバブリック・フットパス（公共の自然道）があり、羊の群れの中を歩いた。イギリスでは「歩く権利」が法的に認められており、バブリック・フットパスに指定されていれば私有地でも自由に通ることができる。全長6キロに及ぶ崖「スタネッジエッッジ」からは絶景が楽しめる。「歩く権利」とは何か。地元に住むジョン・ハービーさんによると、重労働を強いられていた労働者たちは日曜日に散策しようと「キンダースカウトの丘」にやってきたが、立ち入ることは許されなかった。ある日400人の若い労働者たちが貴族が所有する広大な土地に入り歩きはじめた。この事件が世論を動かし、1940年代後半「歩く権利」が確立され、ピークディストリクトをはじめとする国立公園の設立につながった。一行は強風が吹く「キンダースカウトの丘」に到着。