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「ギャリー・タン氏」 のテレビ露出情報

アメリカのトランプ大統領は専門的な技能を持つ外国人の就労ビザの申請費用を10万ドル、日本円で1500万円近くに引き上げると発表した。これまで1500ドル程度だったことを報じられていると考えると60倍以上という異例の規模の引き上げになる。「H-1B」と呼ばれるこのビザは主にIT分野で取得する人が多い。今年の最新の企業別の取得者数をみると、Amazon、マイクロソフトなどIT企業がずらりと並んでいる。トランプ政権がこのビザの申請費用をここまで引き上げる理由について、ラトニック商務長官は「アメリカ人の雇用を守るため」と説明している。
「H1-B」ビザの取得者を出身国別で見るとインドがおよそ70%でダントツに多く、次いで中国となっている。インドの主要メディアは、今朝の朝刊で、技術者や留学生の間などで不安が広がっていることを一面で伝えている。H-1Bビザの保有者や更新を控えている人は「アメリカに急いで帰国する必要はない」と書かれている。新たな規則で不安が広がる中、アメリカへの帰国を急ぐ人の姿も見られ、空港での混乱ぶりを伝えている。また市民からは新たな規則への反発や懸念を示す声が多く聞かれた。さらにインドのIT業界の団体は即座に否定的な声明を発表「インド企業による事業継続に支障をきたす恐れがある」と警告している。インド外務省も声明で「今回の措置は家族を含めて人道的な影響を及ぼす可能性がある」と指摘して懸念を示す一方、今後のアメリカ側の対応を注視することにしている。今回の発表をきっかけに両国関係が悪化してしまわないか気になるが、逆に言えばインドの優秀な技術者が本国に残るということもあるので別の見方もできるかもしれない。
優秀な人材を呼び込むことを成長のエンジンとしてきたアメリカだが、今回の政策変更で懸念の声が早速上がっている。スタートアップ企業の育成支援をするアメリカ有数のベンチャーキャピタル「Yコンビネーター」のトップ、ギャリー・タン氏はXで「この政策は海外のテック企業の拠点への巨大な贈り物に等しい。バンクーバーやトロントのような都市がアメリカの都市に代わって繁栄するだろう。そしてAIの軍拡競争の真っ只中でその開発者によそへ行けと言っているようなものだ」と投稿した。この政策が発表されたのは現地時間の先週金曜日。その後週末ソーシャルメディア上で日系アメリカ人の著名な理論物理学者ミチオ・カク氏が高度技能を持つ外国からの技術者がいかに重要かについて力説する2011年のYouTubeの動画が拡散した。当時も「H-1Bビザがアメリカ人の雇用を奪っている」という議論が巻き起こっていたが、この時は政策的に抜本的な変更とはならなかった。世界の頭脳を引きつけることで成長に結びつけてきたアメリカだが、今回のH-1Bビザだけでなく、ハーバード大学をめぐる留学生ビザの規制など、その流れを逆回転させることになるのか、アメリカへの頭脳集中にブレーキがかかれば各国による頭脳獲得戦につながるかもしれない。

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