2つ目の疑問は「ミュトスの危険性」。松尾教授は弱点を発見する能力が高い一方、それを逆手に取られて悪用される可能性を指摘する。考えられるのはサイバー攻撃。性能が上がったことでプログラムに詳しい人でなくでも容易にできるようになってしまう恐れもある。そうなると生活に欠かせないインフラがサイバー攻撃により麻痺する恐れもある。実際に去年、ビール大手の「アサヒグループホールディングス」やオフィス用品を扱う「アスクル」が身代金要求型のサイバー攻撃にあい、受注・出荷が停止するなど大きな影響があった。松尾教授が特に懸念するのは銀行などの金融期間。口座残高を改ざんされるなどすると金融システムが崩壊する可能性があるという。「ミュトス」は悪用される危険性があるため、現時点では一般向けの展開は見送られている。今後必要な対策としては、「ミュトス」に攻撃される前に「ミュトス」を使ってシステムの弱点を発見し、塞ぐ補修をする。現在はグーグル・アップルなど約50の企業などが「ミュトス」を活用し、サイバー攻撃を受けても実行させないためのシステムを開発中。日本政府も「ミュトス」を活用できるよう調整中。
