デンマーク領グリーンランドで11日行われた、4年に1度の自治議会選挙では、デンマークからの独立の道筋をどう描くかが争点の一つだった。開票の結果、経済成長を優先し、独立に慎重な立場を取る中道右派の民主党が前回の3倍以上の得票率となる29.9%で第1党に躍進した。次いで、早期の独立を目指す中道右派のナレラクが第2党に、エーエデ首相が率いる与党イヌイット友愛党と、連立政権を組んできた進歩党は大幅に支持を減らした。グリーンランドを巡っては、米国のトランプ大統領が島の取得を目指している。第1党になった民主党のニールセン党首はトランプ氏への対応について、グリーンランドの人々にとって最も安全な道を提供したいと述べるにとどめた。今後、ほかの党と連立協議を進める方針だが、第2党は米国との安全保障や経済面での協力に前向きな姿勢を示していて、連立の枠組みがトランプ政権との向き合い方を左右しそう。