2025年7月5日に津波を伴う巨大災害が日本を襲うという情報がSNSを中心に拡散され社会現象になった。影響を受けた観光地・鹿児島県指宿市の温泉旅館の副支配人である湯通堂洋は、直行便が止まる、予約が消えていくのを見ると影響がすごくあったと肌で感じたと話した。香港からの直行便が運休し指宿市への旅行者が10分の1以下にまで減少した。ケルン大学のフェリックス・スペックマン博士は、真実性の錯覚という脳のクセが関わっている、最も典型的なものはSNSだと話した。同じ情報を何度も目にするとそれを真実だと信じてしまうという。実験してみる。幅広い世代の男女45人を集め、スクリーンに15秒に1回映し出される短い文章を読みどれくらい本当と思うかを6段階で評価してもらう。表示される35個の文章の内、アボカドはベリーであるという文章は表現を変えて3回映し出されるように仕掛けがしてある。結果は、1回目に目にした時に本当だと思う度合いは平均3.42ポイントだったが、3回目に目にした時には平均4.98ポイントまで上がっていた。この傾向は45人中38人で確認された。何度も触れた情報が正しく思えるというのは「真実性の錯覚(単純接触効果)」と呼ばれ、SNSでは好みの投稿が表示されやすくなっているため同じ情報に繰り返し触れやすい。これは効果が強いため詐欺にも利用され、代表的なのがSNS型のロマンス詐欺・投資詐欺。繰り返しやり取りをしていく内に親しくなった気にさせる。被害世代は10代~80代までと幅広い。東京科学大学の栗山直子さんは、根本的に対策する方法はないが、脳のクセの存在を知ることが一番大事だと話す。実際に脳のクセの存在を知った後に再実験してみると複数回出てきた文章でも本当だと思う割合は殆ど変化しなかった。
