2026年7月30日放送 20:00 - 20:45 NHK総合

あしたが変わるトリセツショー
脳に潜む「思考のクセ」知ってトラブル回避!

出演者
石原さとみ 菊地亜美 井上裕介(NON STYLE) KiLa 
(オープニング)
脳のクセのトリセツ 誰もがハマる思考のクセ

きょうのテーマは脳のクセ。人の脳には絶対に抗えない思考のクセがあるという。今回は現代社会を生き抜くために絶対に知っておきたい脳のクセのトリセツ。

オープニング

オープニング映像。

脳のクセのトリセツ
誰もがハマる思考のクセ

マジシャンのKiLaが登場、コインを使ったマジックを披露。菊地亜美は全然わからないと言ったが、井上裕介は音だけ出してコインを渡していないと予想した。種明かしは後半で。

うわさ・詐欺広がる原因にも

2025年7月5日に津波を伴う巨大災害が日本を襲うという情報がSNSを中心に拡散され社会現象になった。影響を受けた観光地・鹿児島県指宿市の温泉旅館の副支配人である湯通堂洋は、直行便が止まる、予約が消えていくのを見ると影響がすごくあったと肌で感じたと話した。香港からの直行便が運休し指宿市への旅行者が10分の1以下にまで減少した。ケルン大学のフェリックス・スペックマン博士は、真実性の錯覚という脳のクセが関わっている、最も典型的なものはSNSだと話した。同じ情報を何度も目にするとそれを真実だと信じてしまうという。実験してみる。幅広い世代の男女45人を集め、スクリーンに15秒に1回映し出される短い文章を読みどれくらい本当と思うかを6段階で評価してもらう。表示される35個の文章の内、アボカドはベリーであるという文章は表現を変えて3回映し出されるように仕掛けがしてある。結果は、1回目に目にした時に本当だと思う度合いは平均3.42ポイントだったが、3回目に目にした時には平均4.98ポイントまで上がっていた。この傾向は45人中38人で確認された。何度も触れた情報が正しく思えるというのは「真実性の錯覚(単純接触効果)」と呼ばれ、SNSでは好みの投稿が表示されやすくなっているため同じ情報に繰り返し触れやすい。これは効果が強いため詐欺にも利用され、代表的なのがSNS型のロマンス詐欺・投資詐欺。繰り返しやり取りをしていく内に親しくなった気にさせる。被害世代は10代~80代までと幅広い。東京科学大学の栗山直子さんは、根本的に対策する方法はないが、脳のクセの存在を知ることが一番大事だと話す。実際に脳のクセの存在を知った後に再実験してみると複数回出てきた文章でも本当だと思う割合は殆ど変化しなかった。

キーワード
ケルン大学指宿市(鹿児島)東京科学大学
生活に潜む”トラブル” 原因判明

続いては夫婦・ご近所・職場など日常生活でのトラブルにまつわる脳のクセについて。子どもたちとの初めてのキャンプということで増田さん一家に協力してもらう。キャンプの頑張り度を夫婦それぞれに聞いたところ夫と妻のどちらも自分が70点・相手が30点と評価した。夫は、子どもの面倒はみてもらったと思うがキャンプデビューとしては自分の方が貢献したと率直に思うと話した。一方妻は、もちろんテントの設営とか料理はしてくれたが自分が殆ど子どもを見たり、寝かしつけやケガしないかとかを見ていたと話した。神戸大学教授の林創さんは、上手く自己中心性バイアルが出ていると指摘。これは利己的という意味ではなく、他者の視点に立ちにくい、自分の認識や視点にとらわれやすいというもの。当事者にしかわからない部分がありその結果自分に対して点数が高くなる。大人になるに従って他人の考えや状況に気を回せるようになるが、疲れている時や何かに気を取られている時などはその切り替えが上手くいかなくなる。避けようがないという。

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神戸大学
脳に潜む2つの原因

脳にはシステム1とシステム2という情報を処理する機能が2つある。システム1は直感で素早く判断する機能。対してシステム2は時間をかけてじっくり判断する機能。この2つのバランスが重要だが、反応の早いシステム1の方が先に判断を行ってしまう。そのシステム1がさらに強く働く時がある。疲れている時などは直感的な思考が強く印象づく。静岡理工科大学准教授の渡邊言也さんは、「脳の扁桃体という恐怖・不安・緊張に反応するセンサーが強く反応すると心拍数が上がったり筋肉がこわばったりする。これは戦うか逃げるかに備える反応だが、冷静に判断したり繊細な動きをする場面ではかえってミスにつながる」と話す。扁桃体は生存戦略としてシステム1をパワーアップさせるが、現代社会では暴走することもある。

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扁桃体
対策は◯◯しない!

パイロットの訓練施設にはフライトシミュレーターが並んでいる。ここでパイロットは脳のクセ対策の訓練を積んでいるという。訓練を受けるのは副操縦士の井上大地さん。このシミュレーターでは通常は起こらないトラブルや悪天候などあらゆる状況を想定して訓練できる。気流が異常に乱れて姿勢が傾いてしまったケースが発生したが、副操縦士の井上さんは焦ることなく機体を立て直し無事着陸させた。機体が傾き始めて1.5秒経ってから井上さんは声を出した。この何も行動しない1.5秒に脳のクセ対策がある。緊急事態が起こると扁桃体が反応しシステム1が反応し暴走状態に、その時間は1.5秒といわれる。ここですぐに何かをしてしまうとミスにつながるためあえて何もしない。すると扁桃体の警報が弱まりシステム1が弱まってシステム2が稼働し始める。すぐに行動しないことで脳内のバランスが改善されると考えられている。機長の福本健さんは、慌てている1.5秒間は極力正しい状況認識に務めるために費やして、拙速に行動しないよう努めていると話した。

キーワード
扁桃体
脳のクセ とらわれない方法

脳のクセは全てシステム1とシステム2のバランスが崩れることにより発生する。大阪・高槻市にある関西大学初等部では学校周辺の町を調べる授業が行われている。ここでは考えを言葉にして分析することを習慣にしている。また詩を言葉で分解する授業では、様々な教科の視点で詩を分析している。言葉にして分析する習慣は、心理学の専門家もオススメのシステム2を鍛える方法。脳の中で言葉を司るのはシステム2が働く外側の領域。そこが活発になることでシステム2が働きやすくなる。冒頭のマジックを見て分析してもらうと、言葉にして分析することで見破り成功。見た目や音に惑わされやすいシステム1にシステム2がちゃんと対抗できていた。

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関西大学初等部・中等部・高等部高槻市(大阪)
脳のクセ対策決定版!

脳のクセについて、心理学が専門の京都大学名誉教授楠見孝さんは、「誰でもシステム1の働きを持っている、疲れている時などはシステム1はかなり優勢になる。常にシステム2が必要かというとそうではなく、システム1で決めた方がいい場合もあり、例えばお昼のメニューを食べたいものをさっと決めるなどがある。脳や心のクセをあらかじめ理解しておくこと、どうやってうまく使うのかを考えることが非常に大事。状況や自身の気持ちなどを言語化することでシステム1の影響を最小限にできる」と話した。SNSなどで怖いなど感情が動いた時には、画面を伏せるなどして距離を置く、すぐに再投稿などはせず5秒以上待つことがオススメ。対人関係で不安などの気持ちになった時に大切なのはすぐに行動しないこと。深呼吸・家事など別の行動を挟むなどして5秒以上意識を他のことに向けることで暴走したシステム1の判断に振り回されにくくなる。システム2を鍛えるのにオススメなのが言葉にすること。感情が動いた時になぜその気持ちになったのかを言葉にして書き出す。状況を理解したいときには事実だけを書き出すという方法。対策をしても脳のクセはなくならないが、知っておくだけでも軽減することができる。

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京都大学
(エンディング)
次回予告

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