ロイヤルアスコットが開幕。競馬場は目を見張るような帽子で溢れている。1世紀前は誰もが日常的に帽子を被っていたが、いまは珍しくなり帽子作りの技術も廃れつつある。そこで王室が介入し次世代の職人の育成を助けることにロイヤルアスコット3日目のレディースデイは大規模な帽子の見本市で帽子職人にとっても檜舞台。人々がカメラで狙うのは国王夫妻。2人とも大の帽子好きでレースの合間に若い職人の作品を見て回った。国王が代表を務める財団は、伝統技術を守るため職人の育成プログラムを支援している。バーナビー・ホープさんもそのひとり。そのバーナビー・ホープさんの工房を訪れたのはグロスター公爵夫人。ホープさんはオリジナルデザインに基づき彼女のための特別注文を作り上げた。最後の試着はケンジントン宮殿で行われた。今週公爵夫人がロイヤルアスコットで被ったのは有名デザイナーのものではなくホープさんの帽子だった。信じられない瞬間だったとホープさんは語る。ビンテージの麦わらにメタリックのハート、シルクの花びらをあしらった帽子は次世代の帽子職人を祝福するかのように有名デザイナーの中にいても際立って見えた。