コメ生産のあり方について議論を深堀りしていく。コメ価格が高騰していた去年8月に、当時の石破総理大臣はコメ生産について、増産する方針転換を打ち出した。しかし、その後の高市政権では需要に応じた生産に方向転換。なぜコメの生産について意見が分かれていたのか。この違いを理解するために日本のコメ生産の歴史を振り返っていく。1960年頃から食生活の多様化の影響を受け、コメ余りの状況が続いていた。そのため、1971年頃から減反政策を開始し、青刈りや転作が行われた。2018年に減反政策は廃止が宣言されたが、その後も転作に対する補助金が続いたことから、事実上の減反政策は続いているとも指摘されている。こうした中で、石破政権時に打ち出されたのが、コメの増産である。インバウンドの増加などの視点が欠けており、生産量が不足していたという。その後、鈴木農相によって需要に応じた生産へ。コメの需要を拡大し、これに応じた生産を推進するという方向転換だった。ただ、これまで生産者が政策によって振り回され、「猫の目農政」と批判されることもあった。本間教授は鈴木農相の政策に対して、「一言足りない」とし、「今の価格を維持した需要に対する生産であり、コメ価格を下げてコメ需要が増えた際に、状況に応じて生産するということはほとんど含まれていない」などと話した。また、日本の水田の4割で主食のコメが作られていないこと、減反政策が補助金で維持されている点に注目し、消費者は高い価格のコメを買わされ、納税者に補助金というかたちで負担を強いているため、「国民に二重の負担を強いていることを認識しておきたいですね」と話した。荒幡教授は、かつては休耕田でも補助金が支給されていたが、今はなく、来年から麦や大豆などを生産するところに地目を支給するようになっていくため、食料自給率を高める要因となる可能性があり、今まで無駄にしていた補助金を少しでもいい方向に向けられるのではないかなどと語った。本間教授は石破政権のコメ増産について、どう増産していくのか議論が不足していたとし、いかに増産していくかを「政策的に議論していかなければならないと思っています」と話した。農林水産省が需要を見誤ったことで令和の米騒動が起きたと政府が認めているが、「需要を正確に見通すことは可能なのか」という質問に対し、荒幡教授は「極力やっていかなければならない」と話し、業務用のコメの消費が増えたことも需要などに影響を与えたとして、「需要と供給の敏感な反応をしっかりと認識して、需要を見通していくことが必要。」と語った。本間さんは、天災や災害などがあることから、需要を把握することは困難だとして、「生産した数量で市場をコントロールすることは限界にきていることを学ばないといけない」と話し、「需要に応じた生産は間違っていたという議論がしなくてすむようなコメ市場にもっていく必要がある。」などと語った。
