2026年9月13日放送 9:00 - 10:00 NHK総合

日曜討論
徹底分析 コメ値下がり いま何が?今後は?

出演者
山下毅 上原光紀 
(オープニング)
徹底分析 コメ値下がり いま何が?今後は?

スーパーのお米売り場では新米5kgが税抜き2980円と一時期より価格が下がっており、小売価格が4周連続で下落している。新米より安いという逆転現象も起きている。令和の米騒動の混乱から何が起きているのか?今朝は、コメ値下がりでいま何が?今後は?

(日曜討論)

山下さんらが挨拶し、コメ制作の専門家らスタジオ出演者を紹介。

なぜコメの値下がりが続いているのか?おととい発表された全国のスーパーで販売されたコメの最新の平均価格は5kgあたり3003円。価格推移をみると去年は高騰していたが今年1月から下落傾向にある。永野さんはこの状況に、異例の状況といえるとのべ、新米と古米で価格逆転が起きていることについて取材すると、担当者は安い新米が入れば古米も値下げして売らざるを得ない、去年高く仕入れた分利益が出ず苦労している、異常事態だと話しているという。また、今の価格は1990年代と同じくらいの水準で、今の価格傾向は久々にコメの価格が上昇してきた中での下落と位置づけることができるとコメントした。

キーワード
KSP-SPコシヒカリ総務省農林水産省
備蓄米買い戻し 価格は?/「備蓄米」のあり方は/どうなる?今後のコメ価格

今後のコメ価格の見通しで注目されるのが去年大量放出した「備蓄米」の今後。今週から買戻しの手続きが開始、備蓄米はコメ不足に備え政府が必要な数量を備蓄しておくコメのことで10年に1度の深刻な不作や2年連続の不作に対応できるよう100万t程度を訂正水準としている。昨年政府は段階的に備蓄米を合わせて59万t放出、今年6月末で32万tだったため21万tを買戻しを決定し今月から手続きを始めるとしている。専門家間では今回の買い戻し量では価格への影響は限定的との見方が大半、木原官房長官は「適正水準への回復を進めるべく実施するもので価格の下支えのためではない」、JA全中神農会長は「21万tでは適正水準には届かない、今後の買戻し対応を早急に」としている。荒幡氏は「話題に出ているがすでに適正在庫よりも40万t多めにあり、今年の8年産米が60万tくらいあり過剰になるので21万tは米価下落のスピードを和らげる程度だが反転し上昇することにはならないと考える」などとした。本間氏は「“下支えではない”とのことについて「備蓄のルール・政策が変わってしまっていることに違和感を持っている。不作などの時に放出することだったが緊急事態との認識で放出したが、災害があって緊急に必要なときにはこれでは対処できていない。本来のルールから逸脱、価格維持のためのオペレーションに変わってしまったことには政策に対する不信感が持っている」などとした。農林水産省は6月段階で買戻しを模索していたが、物価高で家計負担が増える中で米値下がりは消費者には歓迎されているため水を指すような買戻しは認められなかったとみられている。本間氏は備蓄米ではなく輸入米で補う形で良かったと指摘、荒幡氏は「平成の米騒動の時輸入米を入れたが在庫自体は24万tしかなく不足は260万tでアメリカ・中国などから輸入した。基本原則として輸入してでも国民を飢えさせないようにする、もしもの場合は輸入米も視野に入れることは大事だと思っている」とした。本間氏は「備蓄米は出したらできるだけ早く買い戻さなくちゃいけない。災害などが起こることはいつかわからない、その準備のための備蓄米であるためタイミングがまったく遅い。反省材料にして頂きたい」とした。

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備蓄米全国農業協同組合中央会平成の米騒動木原稔神農佳人農林水産省
増産?調整?コメ生産のあり方は

コメ生産のあり方について議論を深堀りしていく。コメ価格が高騰していた去年8月に、当時の石破総理大臣はコメ生産について、増産する方針転換を打ち出した。しかし、その後の高市政権では需要に応じた生産に方向転換。なぜコメの生産について意見が分かれていたのか。この違いを理解するために日本のコメ生産の歴史を振り返っていく。1960年頃から食生活の多様化の影響を受け、コメ余りの状況が続いていた。そのため、1971年頃から減反政策を開始し、青刈りや転作が行われた。2018年に減反政策は廃止が宣言されたが、その後も転作に対する補助金が続いたことから、事実上の減反政策は続いているとも指摘されている。こうした中で、石破政権時に打ち出されたのが、コメの増産である。インバウンドの増加などの視点が欠けており、生産量が不足していたという。その後、鈴木農相によって需要に応じた生産へ。コメの需要を拡大し、これに応じた生産を推進するという方向転換だった。ただ、これまで生産者が政策によって振り回され、「猫の目農政」と批判されることもあった。本間教授は鈴木農相の政策に対して、「一言足りない」とし、「今の価格を維持した需要に対する生産であり、コメ価格を下げてコメ需要が増えた際に、状況に応じて生産するということはほとんど含まれていない」などと話した。また、日本の水田の4割で主食のコメが作られていないこと、減反政策が補助金で維持されている点に注目し、消費者は高い価格のコメを買わされ、納税者に補助金というかたちで負担を強いているため、「国民に二重の負担を強いていることを認識しておきたいですね」と話した。荒幡教授は、かつては休耕田でも補助金が支給されていたが、今はなく、来年から麦や大豆などを生産するところに地目を支給するようになっていくため、食料自給率を高める要因となる可能性があり、今まで無駄にしていた補助金を少しでもいい方向に向けられるのではないかなどと語った。本間教授は石破政権のコメ増産について、どう増産していくのか議論が不足していたとし、いかに増産していくかを「政策的に議論していかなければならないと思っています」と話した。農林水産省が需要を見誤ったことで令和の米騒動が起きたと政府が認めているが、「需要を正確に見通すことは可能なのか」という質問に対し、荒幡教授は「極力やっていかなければならない」と話し、業務用のコメの消費が増えたことも需要などに影響を与えたとして、「需要と供給の敏感な反応をしっかりと認識して、需要を見通していくことが必要。」と語った。本間さんは、天災や災害などがあることから、需要を把握することは困難だとして、「生産した数量で市場をコントロールすることは限界にきていることを学ばないといけない」と話し、「需要に応じた生産は間違っていたという議論がしなくてすむようなコメ市場にもっていく必要がある。」などと語った。

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生産者・消費者 納得の価格は

生産者と消費者がどちらも納得できる価格は実現できるのか。今年4月に食料システム法が施行され、コメの生産コストの指標が示された。それによると肥料などコメの生産に必要なものを含め、玄米5キロあたり1711円のコストがかかり、ここに輸送費などを上乗せして店頭に並ぶ。しかし今年は概算金の引き下げが相次ぎ、生産者にとって厳しい状況となっている。この概算金がコストを下回る状況について本間さんは「今年あるいは来年のコメの見通しから判断できるコメの市場価格がどうなんだっていうことを、正確な情報を下に形成する現物のコメ市場の構築が必要」などと話した一方、コメの輸出量が去年過去最高を更新したが外国産と比べると高価格であるなど課題も指摘されている。本間さんは「これはまさに生産コストをどこまで下げられるかということによると思うんです」などと話し、50ヘクタール以上の大規模な農家では、分散柵穂を解消すれば生産コストも下がり、国際市場で商売可能なコメ作りができるのではと話した。一方荒畑さんは、日本のコメは品質で勝負だという考えに対して「過信は禁物だと思います」などと話し面積当たり収量を上げる必要があるとつけ加えた。また、生産者と消費者の距離について本間さんは「どんな状態でコメが作られているのかということを学ぶ必要がある」などと話した。

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アジア成長研究所コシヒカリ大分県山形県新潟県日本国際学園大学日本放送協会鈴木憲和食料システム法
どうなる?今後のコメ価格/“日本の主食・コメ”どう考える?

本間さんは、令和の米騒動が消費にどんな影響を与えたかについて、東京都23区の消費者を対象に米騒動を経て、米の消費がどう変わったかというのをアンケート調査しており、それによると大体3割の消費者が米の価格の上昇で消費を減らしたと答えているという。特に年収400万円以下の世帯で消費の減退が著しいという結果が出ているとういう。したがって米不足が果たした役割というのが、消費者に米離れを引き起こしているという意味で非常に考えるべき現象だと話す。また将来を見据えて米政策で考えるべきことについて、1つには価格政策で農家を助けるのをやめて、価格が乱高下しても安定して生産できるような直接支払い。価格に依存しない形で農家に一定の所得を保証していくような政策の導入が必要だと話す。そして荒幡さんは米の乱高下の緩和と所得関係の支払い等も加味してポリシーミックスやっていくべきことと話した。

キーワード
令和の米騒動東京都
(エンディング)

日曜討論、今朝は値下がりが続く米価格について専門家の2人と伝えた。

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