2026年8月31日放送 0:20 - 1:21 NHK総合

日曜討論
アメリカ“経済制裁” どうなるイラン情勢

出演者
伊藤雅之 上原光紀 
(オープニング)
アメリカ“経済制裁”どうなるイラン情勢

イランへの軍事作戦開始から半年。米国はイランの孤立化を図るため大規模な経済制裁を科すと発表。イラン側は圧力に屈しない姿勢を示している。イラン情勢の今後を徹底分析。

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アメリカ“経済制裁”どうなるイラン情勢
新たな経済制裁 どうみる

イランへの軍事作戦開始から半年。米国はイランの孤立化を図るため大規模な経済制裁を科すと発表。イランと取引のある企業や個人に対し経済制裁を科すとし、28日にはエジプト国営銀行のUAE支店に対し米国の金融機関とのドル取引などを遮断する措置を講じると発表。杉山元駐米大使は「こういうところに軸を移さざるをえなかったのが実態」と指摘。鈴木教授は「思ったほど大規模ではない」「イランと関係が深いのは中国だが安定関係を崩せないので小規模なものになった」と指摘。三船教授は「実効性に疑義がある」「経済制裁は問題の解決にならない」と指摘。

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経済版D-DAY

米国はイランの孤立化を図るため大規模な経済制裁を科すと発表。ベッセント財務長官は今回の制裁を「経済版D-DAY」と表現。D-DAYとはナチス・ドイツを敗北に追い込んだノルマンディー上陸作戦が行われた1944年6月6日のこと。この日には毎年式典。5年周期で大規模に行われ、そのたび米大統領が赴きスピーチをする。「中間選挙までに決着をつけたい」という米側の本気の現れとみられる。実際にナチスが敗北するのはD-DAYから11ヶ月後。

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新たな経済制裁 どうみる/なぜこのタイミング?/“カギ握る”中国は

米国はイランの孤立化を図るため大規模な経済制裁を科すと発表。溝渕教授は「これまでの経済制裁はイラン経済を衰退させてきたが体制には影響していない」「イランの将来を担う世代が衰退していくのは問題」と、鈴木教授は「米側に唯一残された選択肢が経済制裁」と、横江教授は「中間選挙に向けて国民のフラストレーションに対応している」と、三船教授は「中国は米国に協力するメリットがない」「中国は2次制裁に対応する法律をたくさん作っている」と、杉山氏は「米国が最重要視するのは対中関係」「イランとの戦いは2~3週間で終えるつもりだったのでは」「中間選挙では外交問題よりも個別の選挙区での情勢のほうが重要」とコメント。

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イラン “地下経済”

イランでは経済状況が深刻でインフレ率は87.9%。現在イラン経済を支えているのは無登録の商売、非公式雇用、密輸、両替商(ハワーラ)を利用した送金などの「地下経済」。恩恵は一部の体制側に集中していて、一般の中間層は衰退が進んでいる。

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イラン経済は 制裁の影響は

米国はイランへの制裁強化を発表したがイランではすでに経済状況が深刻。横江教授は「米国はイラン市民からの反体制運動を期待している」「米国が最も敵視しているのは中国で、イランを中国経済と引き離したい思惑がある」と、溝渕教授は「制裁のダメージが最も大きいのは反体制運動を主導するはずの中間層」と、鈴木教授は「イラン側は『不当な制裁』とみていて耐えるモチベーションになっている」と、杉山氏は「イランは普通の民主国家とは違う」「経済制裁で物が動くと思っている人はあまりいない」とコメント。

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アリー・ハーメネイーイスラム革命防衛隊イランイラン統計センター南アフリカ国際連合安全保障理事会
新たな経済制裁 中国はどう動く

米国はイランへの制裁強化を発表したが、イランと経済的結び付きが強いのは中国。三船教授は「中国には制裁を無効化できる法律がすでにある」「11月のAPECまでに合意しようと水面下で米国とやり取りしている」と、横江教授は「米国は中国を弱めようと思っていてNATOの国々とも話し合っている」「中国が弱くなるきっかけになる布石を打とうとしている」と、鈴木教授は「今回の制裁に効果がなければ次に何をするかが心配」「伝家の宝刀だったドル制裁は実効性が弱まっている」と、杉山氏は「トランプ大統領の力の源泉は選挙」「残された2年間でもっと乱暴なことを好き勝手にやるかもしれない」とコメント。

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ドナルド・ジョン・トランプ中国中央電視台共和党北大西洋条約機構深セン(中国)
事態打開への道筋は

米国はイランの孤立化を図るため大規模な経済制裁を科すと発表。杉山氏は「米国とイランに落としどころはない」「両国とも引けずにいるが大規模な軍事行動はやりたくない」「不透明な状況はしばらく続く」と、鈴木教授は「イラン優位の合意にはイスラエルが反発するが米・イスラエルの意見は必ずしも一致しない」と、三船教授は「中国は長期化を見込んでいて、包括的な安全保障の対話枠組みを作ることを訴えている」と、横江教授は「米国が中東諸国に代わり石油市場で存在感を示しイランに核を持たせないようにするのが落としどころ」と、溝渕教授は「イランとしては米側の目的が分からないので譲歩のしようがない」とコメント。

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ホルムズ海峡 現状をどうみる:dot::sls:日本はどう対応

米国がイランを攻撃して以降、ホルムズ海峡を通過する船は大幅に減少。イランは新たな航路の設定や機雷の除去に向け米国ではなく対岸のオマーンと協議を開始。米側は反発。保険料の高騰などで航行の採算が取れなくなるので自発的に航行しない船が増えている。鈴木教授は「ホルムズ海峡は産油国が多いペルシャ湾に唯一続く航路でイランにとっては最強のカード」と、杉山氏は「イランはホルムズ海峡を国際海峡ではなく『自国の領海』と一貫して主張」「航行の安全、自由の確保は大きな課題」と、溝渕教授は「迂回ルートが広まるので効果はどんどん薄くなるが半年~1年は続く」とコメント。

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米国がイランを攻撃して以降、ホルムズ海峡を通過する船は大幅に減少。三船教授は「中国は米国に頼らずホルムズ海峡に新たなメカニズムを作ろうと狙っている」と、横江教授は「米国にとってホルムズ海峡の重要性はない」「日本や中国にとって困るのは米国が『やめた』と言ってしまったり、関係国に強い協力を求め始めたとき」と、鈴木教授は「油の性質によって精油所の仕組みも異なり日本は中東以外の国から買っても効果的に精油できない」「リスクとのバランスをみてどう判断するか」と、溝渕教授は「日本は調達先の多角化を図っていくべき」とコメント。

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ICC赤根所長への制裁 なぜいま?日本の対応は?

米トランプ政権はICC(国際刑事裁判所)を「悪意を持って権限を乱用している」と批判、赤根智子所長らを制裁対象に加えると発表。所長は「法の支配の危機」と訴えている。杉山氏は「日本はICC創設に中心的な役割を果たしてきた」「国家元首を簡単に捕まえられない規定などICCそのものにも課題がある」と、横江教授は「高市首相は今の日本の立場でやれることをやった」「加盟国ではない米国の意見にも一理ある」と、鈴木教授は「制裁が国際政治のツールとして使われている」「法の支配への政治的圧力」とコメント。

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揺らぐ国際秩序 日本の役割は

国際秩序が揺らぐ中で日本に求められる役割について。三船教授は「西側の秩序にのっとった国際秩序の構築に向けて強く訴えていくべき」と、溝渕教授は「法の支配の最後の砦として頑張るのが重要」「中東問題では仲介を下支えする活動が重要」と、横江教授は「今のトランプ政権でしかとれない成果もある」「赤根所長のことは自国民としてしっかり守ることが重要」と、鈴木教授は「米国への忖度をどこまでやるか考えていくべき」と、杉山氏は「国際法を重視しない米国とも上手にやり、良いところを引き出して日本や国際社会の利益を得る努力がますます必要」とコメント。

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