犬が事件解決に挑むミステリー「犬は知っている」を紹介。舞台は都内の警察病院。ゴールデンレトリバーのピーボは、患者たちに寄り添い精神的負担を和らげる訓練を受けたファシリティドッグ。ピーボにはもう一つの任務があり、特別病棟に入院する余命僅かな凶悪犯たちから、彼らがまだ明かしていない事件について聞き出すこと。そこでピーボは窓際警官の笠門とバディを組み、連続殺人犯・堀の病室を訪れる。重い病に罹っている堀はすでに死刑が確定している。しかしまだ秘密を抱えているのではという疑いをかけられていた。そこでピーボと笠門は何度も病室に訪れ事件について聞き出そうとしていた。ピーボにじっと見つめられてる内、痛みにうめいていた堀の表情が少し和らぐ。そして「七件目はオレじゃねえんだ」との録音機の音声から事件の再捜査が決定。大倉さんは、どんなに悪辣な犯罪者であっても痛みや死への恐怖を前にした時に、そういう犬が出てきたらなんか喋っちゃうんじゃないかなどと考えたという。再捜査に乗り出すピーボと笠門。すると7件目の事件の被害者が近隣住民とのトラブルをかかえ周囲から恨みを買っていたことが判明。連続殺人は1ヶ月に1回のペースだったが、7件目だけ違うサイクルで起きていた。笠門はピーボと共に事件関係者への聞き込みを行う。するとある人物にピーボが普段しない仕草をみせた。そのサインから笠門は重大な手がかりに気づき捜査は急展開を迎える。大倉さんは、犬から人へという方向性をどこまでやるかで、かなりピーボを頭がいい系の犬として書いたという。それでもバディとしてピーボは信頼を置いているという雰囲気を出したいと思っていたという。