アフガニスタン中部・ゴール州では生き残りをかけた厳しい戦いが毎日夜明けとともに始まる。若者からお年寄りまで何百人もの男性が広場に集まり仕事を探す。まだ子どももいる。ザウルさんは16歳。村からここまで2日間歩いてきた。ムハメドさんはもう6週間仕事が見つからない。カーンさんは子どもたちが飢え死にしそうで怖いという。みな胸を張って生きようとしているが、飢えで心が折れそうになっている。仕事を斡旋する男性が来た。みな自分を選んでもらおうと押し合う。この仕事にその日の家族の食事がかかっている。この国は国際支援の削減とタリバン政権の政策、自然災害といった様々な要因が重なり合い、世界最悪の食糧危機に苦しめられている。近くの集落に車で入った。アジミさんの家は突然計り知れない影響に直面した。7歳の双子の娘を売り、なぜ耐え難い選択を迫られているのか話す。「娘たちを売る覚悟はできている。私は貧しく借金を抱えている。口がカラカラに乾き悩み、混乱して家に帰る。子どもたちは私にパンをちょうだいと言ってくる。でも何をあげられるのか。収入につながる仕事はどこにあるのか。心が折れるが他の子どもたちに食べ物を与えるのに2人を売るしかない。」などと話した。この家だけの話ではない。取材したどの家でも瀬戸際に追いやられている。シャイカさんは虫垂炎の手術が必要だ。父親のアフマドさんにお金はない。そこで娘を20万アルガン(50万円足らず)で売ることに同意した。5年後、10歳になったときに娘は家族の元を離れ、娘を売った先の遠い親戚のもとでその息子と結婚するという。
