新たな産業革命を起こすべく国際的な開発競争が繰り広げられている量子コンピューター。日本から驚きの技術が生まれようとしていた。日本にいちるの希望を照らす光量子コンピューターの原理はこれまでとは一線を画すもの。これまでのコンピューターは基板にある金属の回路に電気を通すことで信号を伝えていた。OptQC CEO・高瀬寛が開発する光量子コンピューターは大量のレンズで光の量子を飛ばし、信号を伝える。光を使うことで3つの大きなメリットがある。物質の中で最も速い光を使うことで処理速度が格段に上がる。分厚いガラスで隔てられた空間に鎮座するIBM製量子コンピューター。一般的な量子コンピューターは超低温でしか作動しないうえ、稼働すると大量の熱を放つためスーパーコンピューターやデータセンター同様冷却に膨大な電力を必要とする。光を使えばそもそもの消費電力が少ないうえ常温で稼働し、熱も発しないためエネルギー問題も解決できる。一般的な量子コンピューターは性能を上げるために何台も連結するため大型化してしまうが光は1台でも高性能を発揮。更なる小型化も可能。今月から実用化モデルの初号機の製造を開始。来年度には量産に向けた研究をスタートさせる予定。