スイスで開かれている平和サミット。ウクライナが提唱する和平案は、10の項目からなる。最終日のきょうは、このうち「原発の安全確保」、「食料安全保障」、「捕虜の解放と連れ去られた子どもの帰還」の3つの項目ごとに分科会で議論が行われた。これ以外の「領土の回復」や「ロシア軍の撤退」などは正式な議題になっていない。外交筋によると、参加した“グローバルサウス”と呼ばれる新興国の一部が、ロシアとの関係も重視していることに配慮したという。会議では欧米各国がウクライナ支援の継続を強調した一方で、参加した国の一部からは、ロシアが招待されていないことを疑問視する声が。さらに今回欠席した中国は“ロシアとウクライナ双方が認める会議が必要だ”と主張して、各国に働きかけていると見られ、ロシアも“ロシアがいない会議に意味はない”と冷ややか。軍事侵攻が続く中、ウクライナとしては多くの国が参加した会議で結束を確認してロシアへの圧力にしたい考えで、各国が立場の違いを乗り越えて共同声明を採択できるかどうかが焦点。